孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

時代劇評論家・春日太一氏

春日太一氏は、今や売れっ子作家である。週刊誌の連載も掛け持ちして、本も書く度に、ある程度部数を稼ぐことができる。メディアの露出も多く、自信過剰な態度をとられている。根拠のない自信は、無知からくるものではないかと思う。時代劇研究家という肩書は、降ろした方がよいのではないだろうか。氏のやっていることは、過去の参考文献からの引用ばかりで、何一つ独創性がない。氏の恩師である、能村庸一氏の「実録テレビ時代劇史」、必殺マニアの山田誠二氏の著作、永田哲朗氏の「殺陣チャンバラ映画史」などの本の方が、よっぽど面白く、マニアックである。自分で、企画し、シナリオを書いて、自らメガホンをとるだけの才覚があれば、人の褌で相撲を取るような愚かなことはしないだろう。時代劇をめぐる現状は、非常に厳しい。若者の時代劇離れ、撮影所システムの崩壊、時代劇を演じることのできる役者の不足など様々な原因が、挙げられるだろう。私の子供時代でも、毎日のように時代劇が放送されていた。何よりも深刻なのは、上質な時代劇を制作しようとする志の高いプロデューサーの不在である。テレビ作りの神様とよばれた、山内久司氏。必殺シリーズの生みの親で有名であるが、氏のように時代を読む鋭い鑑識眼とユーモア感覚を持ち合わせたプロデューサーは、もう現れない気がしてならない。春日太一氏の一連の著作が、何故支持されるのか、はなはだ疑問を抱かざるを得ない。勉強不足もはなはだしい。週刊文春の連載で、日本映画の旧作を紹介している。映画を愛するパッションのようなものが、全く感じられない。映画評論は、あらすじを箇条書きにするものではない。役者の演技や、映画監督、その当時の時代背景などを考慮しながら掘り下げていく難しい作業である。センスも悪いうえに、ピント外れも甚だしい。週刊文春の編集者は、原稿を厳しくチェックしているのか。春日太一氏よりもはるかに、時代劇、日本映画を熟知した人物は、世の中にごまんといるだろう。最近の出版社の編集者は、そういった人間を発掘するのが、下手である。