孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

「見た目問題本」の胡散臭さ

「人は見た目と言うけれど」外川浩子著とういう本が出版された。私は、まだ読んでいない。著者は、マイフェイス・マイスタイルという見た目問題のNPOを主宰する代表である。著者自身は、障害があるわけでもないが、赤ん坊の時にやけどを負って顔にあざができた人と交際するようになり、見た目問題に関心を持つようになったらしい。その交際相手というのは、恋人なのか、それとも普通の付き合いなのかは、分からない。もし、著者の恋人であれば説得力があるだろう。しかし、異性の交際以外の普通の付き合いであれば、いささか著者の活動に疑問をはさみたくなる。顔に障害にある人に寄り添いながら、私生活は、逆のことをしている場合もあり得るからである。2,3年前、「顔ニモマケズ」という本が、ベストセラーになった。顔に障害がある人の写真を大々的に載せて、インタビューした内容である。障害を受容して、前向きに生きているとういう内容で、多くの読者は、彼らの姿に感動したのだろう。しかし、その感動する行為自体に、欺瞞を感じてしまう。人は、弱い者である。自分より不幸な人がいることを知って、「まだ自分の顔は、恵まれている」といった優越感を無意識に持つことがあるように思えてならない。この本の著者は、「ウケル技術」「夢をかなえる像」などで有名な水野敬也氏。何らかの問題意識を持って、この本を出版したとは到底考えられない。はっきり言って、顔に障害のある人を利用して、自分の著作を売り上げたいという打算が見え隠れする。藤井輝明さんの「運命の顔」、石井政之さんの「顔面漂流記」など当事者が、書いた本が、もっと読まれるべきである。ルッキズムとういう言葉が、誤用さてている。顔に障害がある人ほど過酷な仕打ちを受けていないにもかかわらず、この言葉を自分の都合の良いように使用する人間が、出始めた。「ルッキズム」と「見た目問題」について、もっと私たちひとりひとりが、確かな認識を持つべきである。