孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

日本の包茎・澁谷知美著

「日本の包茎」澁谷知美著という本が、大変話題になっている。週刊文春の「文春図書館」そして、今日の毎日新聞の書評でも取り上げられ、大絶賛されている。等々ここまで来たかという感じで、あきれ果てて、物が言えないぐらいである。この著者は、ジェンダーの研究者で、「日本の童貞」「平成オトコ塾」といった作品をすでに上梓している。美容整形のクリニックが、包茎を利用した悪徳商法で、あぶく銭を稼いでいることは、すでに周知のことである。この著者のやっていることは、「男性のナイーブな心に土足で踏み込んでいる」以外の何ものでもない。男性の性的感覚は、女性には理解できない。また、男性も女性の生理、出産を経験しないので、理解できるはずがない。ジェンダー平等を掲げる学者は、お互いに理解でき合えることが、理想とでも思っているのだろうか。男と女は、全く違う性を持って生まれてくる。しかし、深い関係を持つことによって、共有できるエクスタシーのような瞬間が生まれる。そこに、男女の恋愛の喜びがあるように思えてならない。著者は、中学生の時に、電車内で、サラリーマンが、エロ雑誌を公衆の面前で堂々と読む男たちがいて、それを許す環境がある。そんな事態を成立可能にする社会の在り方って何なのか。そういったことが、男性のセクシャリティに関心を持つようになった原体験だそうだ。これでは、はるか昔、有害図書を子供の成長に悪影響を与えると、無意味な主張をしたPTАのおばさんと全く変わらない。今時の子供は、ネットで、かなり際どい物を見慣れている。そうした刺激的な環境にさらされていても、実際に性衝動に駆られて、犯罪を犯すことはほとんどない。たかだか、エロ雑誌で、社会の在り方まで、論理が飛躍してしまうのだから、余程の世間知らずのお嬢様に違いない。「日本の包茎」というタイトルとジェンダーを研究する女性研究者というキーワードだけで、この本が売れるということは、約束されたものである。そして、ジェンダー平等に賛成する人たちが、こぞって持ちあげるという構図は、あらかじめ想定できる。「包茎」、「童貞」と公序良俗を重んじる良識ある知識人であれば、口の憚れる言葉である。それゆえに、タブー視されていることに挑戦し、英雄気取りになっているだけではないのかと言いたい。弱い立場にある男性をだしにして、一体何が、ジェンダー平等なのだろうか。どうせ、書くのなら、もっと生々しいことを書くべきである。こういった手合いは、絶対に超えては、いけない一線をわきまえている。自己保身だけは、上手く計算しているところが、卑怯である。男性の人権を侵害しても許されるという最近の風潮に警鐘を鳴らすべきだと思う。