孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

映画ポチの告白

際どい映画ながら、良く出来た作品である。反社会的で、遊び心も忘れない、今時にない完成度の高い作品である。真面目な警察官が、堕落していく姿が非常にリアルに描かれている。警察組織とういうタブーに挑戦したその精神は、素晴らしい。やらせの拳銃捜査、取調室での激しい暴行、などふんだんに散りばめられていて、真向から警察を批判している。「日本の警察は、日本最大の暴力団」や「この国で逆らっては、いけないものは、天皇と警察だ」といった名台詞。私たちは、これらの言葉を心に留め置くべきである。おそらく、このような映画は、絶対に大手映画会社では、制作されないだろう。この作品の一番の功労者は、寺澤有さんだと思う。寺澤さんは、数多くの警察不祥事をスクープしてきた。特に有名なのは、赤坂警察署の裏金作りである。寺澤さんのような過激な警察批判をされるジャーナリストは、皆無ではないだろうか。ご著書によると、高校生の時に、理不尽な交通取り調べに遭ったことが、警察への不信感を抱くきっかけになったそうだ。記者クラブ制度に庇護されて、警察の御用聞きになった、大手新聞社の記者は、寺澤氏を見習うべきである。警察を批判するどころか、警察の広報の役割しか果たせていないのは、あまりにも情けない。それだけに、寺澤さんのtwitterが、停止されたことは、残念で仕方がない。この「ポチの告白」が、ワイドショーで紹された時の模様が、面白い。出演者は、大谷昭宏氏、藤井誠二氏、本村健太郎弁護士。宮崎学演じる裁判官が、警察署長から、「まさか風俗なんかには行っていませんようね」と恫喝されるシーン。これに対して、本村弁護士は、「こんなこと絶対ない」と怒る。確かにこのシーンは、映画のために敢えて作られたとぐらい誰でも分かるだろう。しかし、裁判所と警察の関係を問題視するには、これほどのデフォルメが、必要であるということが、本村弁護士には理解できないのだろうか。被告人の拘留請求、逮捕状請求において却下する裁判官は、ほとんどいない。審査もせず、無条件に認めていること自体おかしい。事実認定も、被告人の立場より警察、検察側の立場で行うのが、慣習となっている。新聞記者も、裁判官も、個々の警察官も警察国家の犬ではないだろうか。