孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

ぼくにはこれしかなかった・街の本屋

「ぼくにはこれしかなかった」早坂大輔著、木楽舎とうい本が出版された。著者の早坂大輔さんは、会社員をしていたが、40歳を過ぎて、生き方を問い直し、本屋を開くことを決意する。盛岡市紺屋町で、「BOOK NERD」という一風変わった店名である。NERDとは、オタクという意味らしい。本オタクとう店名に込めた、早坂さんのセンスは、非常に良い。取り扱うのは、1950年から2000年代頃の古書、新刊合わせて、500冊で、厳選されたもののようである。一部の人には、有名なお店らしい。無名だった俳人歌人くどうれいさんのzineを出版し、ヒット記録をする。近年、早坂大輔さんのように、ユニークな本屋さんを開業する若者が、増加している。この出版不況にもかかわらず、自分のスタイルにこだわった本屋づくりは、困難を伴うだろう。彼らの本への思いには、心を揺さぶるものがある。若者の活字離れに加え、アマゾンという巨大企業に、大手書店は翻弄されている。日本全国どこに住んでいようが、アマゾンで入手できない本は、ないといっても良い。ボタン1つで、自分が読みたい本が、2,3日で、届くのだから、これ程便利なシステムはない。しかし、本との出会いに、何のドラマも夢がないように思えてならない。自分の人生に影響を与えてくれる本は、偶然にして遭遇することが多い気がする。中学、高校に街の本屋さんで、買った本は、今も大事にしている。その本を見る度に、あの楽しかった時代の頃が蘇ってくる。その街の本屋さんも、今はほとんど無くなってしまった。早坂大輔さんのように、街の本屋を開業する人は、様々な工夫をして、生き残り戦略を試みている。作家を呼んだり、イベントを催したりするなど、人との関わりをまず大切にしている。本を介して人とつながる、あるいは、情報発信拠点としての本屋さんが、これからの新しいモデルになるだろう。見過ごしてはならないのは、本屋が、ある政治的スタンスを持ち、それを利用してしまうことだ。私の住む県にも、そういった本屋がある。この本屋、口では、政権を批判したり、弱者の人権擁護を唱えたりしている。しかし、よくよく調べていくと、安全な所からしか、発言していないことが分かった。地元選出の超有名政治家には、ノータッチなのである。また、警察不祥事にも絶対言及しない。この本屋、ネット上で、左翼の本とよばれているらしい。本当の左翼に対して失礼である。一度、買取を頼んだことがあったが、自分達は、知識人であるという態度で、人を見下げ、あまりにも横柄なものの言い方。本屋さんは、文化資本を売る商売であると、過信しないことだけは、心得て頂きたいと思う。