孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

隠蔽される子供たちの自殺

2021年5月17日に、8年前の4月に同級生のいじめなどを苦に自殺した、熊本県の県立高校3年の女子生徒の遺族が、同級生8人と県に、8340万円の損害賠償を求める訴えを熊本地裁に起こした。訴状によると、同級生たちは、体育大会のダンスの練習でうまく踊れない女子生徒に対して、「なんで踊れんと」「マジでいらいらする」などと強い口調で非難し、みんなの前で、何度も踊らした。また、「顔が、キモイ、動きが鈍いとダンスと関係のない発言までした。女子高生は、遺書を残して自殺した。2021年2月にも、旭川で女子中学生が自殺している。こちらの方は、ある週刊誌が報道したこともあり、ネット上では知られているが、メディアは無関心を決め込んでいる。他にも、いじめが直接的な原因であると、うかがわせるような子供たちの自殺が増加している。いじめ報道というものは、過熱的に取り上げて、終息してしまうとういパターンが繰り返されてきた。振り返ってみると、1986年の、中野区冨士見中学で発生した、所謂、「葬式ごっこ」と称される事件。鹿川裕史君は「このままジャ生きジゴクになちゃうよ」と遺書に書き残した。次に、1994年愛知県西尾市で、大河内清輝君が、同級生から多額の金銭を要求されたりして、自殺した事件。そして、2011年の大津中2自殺自殺事件。この大津の事件は、様々な論者によって語られた。その結果、いじめ防止対策推進法が可決した。一連のいじめ報道を見ていると、死という選択肢を選ばざるを得なかった、子供たちの心情を推し量ろうとする態度が全く見受けられないこと。ただ、加害者の家族のプライバシーを興味本位でさらけ出しているに過ぎない。近年、いじめが悪質化、多様化している。ネットいじめから、古典的ないじめまで、教師は、想定しておくべきだ。自殺するという行為は、何を意味するのだろうか。「これ以上自分が、存在していても、何の意味もない」という絶望感に駆られて子供たちは、衝動的に自殺するケースが多い。大人の自殺と子供の自殺は、明らかに質が違う。大人の場合、合理的な選択肢として、死を選ぶ。うつ病や難病に罹患していたなど、複雑な事情を抱えていて、それらと決別するために、実行してしまう。そのために子供の自殺は、確実に防止できるのではないだろうか。「学校空間から逃げても、人生の抜け道は、あるということ」を周囲の大人が教えるべきである。「心の教育」、「命の大切さ」など綺麗ごとを教えたところでまったく意味がないように思えてならない。