孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

飯塚事件 再審請求 死刑制度は許されるのか?

平成4年福岡県飯塚市で小学生の女の子2人が殺害されて、死刑が執行された元死刑囚の家族が新たな目撃証言を証拠として、9日に再審請求を求めることになった。平成21年には、死刑囚の家族が、再審請求し、弁護団は、当時のDNA鑑定は信用できないとしたが、最高裁は棄却した。弁護団が、新たな証拠とする証言は、ほぼ同じ時刻に現場からおよそ15㎞離れた場所で、元死刑囚と違う男が、小学生くらいの女の子と2人と一緒にいるのを目撃したとういう内容である。新証拠としては、残念ながら弱い感じがしてならない。「開かずの扉」「ラクダが針の穴を通るより難しい」と表現されるくらいの再審裁判で、無罪を勝ち取るのは非常に困難を強いられる。被告人であった、久間三千年さんが、警察に犯人にされるには、それなりの理由があった。目撃者の証言、被害女児の身体に付着していた血液型、DNA鑑定が一致したことなど。そうした悪条件が積み重なった結果、死刑が確定し、処刑された。ネット上では、「冤罪ではない」という真偽定かではない情報が飛び交っている。確かに、黒か白かと言えば、限りなく黒に事件ではある。この飯塚事件で、看過できないのは、法務省が死刑執行をした裏事情だ。飯塚事件のDNA鑑定と足利事件は、同じ手法でなされた。足利事件は、その当時のDNA鑑定に誤りがあった疑いがあり、再鑑定された。その結果、菅谷利和さんは、無罪となり、2009年6月4日に出所する。一方、久間三千年さんは、2008年10月28日に死刑に処される。菅谷利和さんは、無期懲役。久間さんは、死刑という求刑。死刑を下したことが間違いであることを恐れた法務省は、久間さんの死刑執行を急いだのではないだろうか。死刑の執行するのは、名目上法務大臣である。しかし、実質的に役割を果たしているのは、法務省の幹部官僚たちだ。決裁文書を起案し、最終的に死刑執行の決裁も、彼らの主導でなされる。5人の法務官僚たちがこの死刑執行に関わっていた。そのうちの一人、大野恒太郎は、検事総長まで出世し、大企業の監査役を務めた。国家権力の威信を保つための死刑だとすれば、到底許し難い。