孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

「テレフォン人生相談」と加藤諦三氏

テレフォン人生相談」というラジオの長寿番組がある。熱狂的なファンで、毎日聞いているわけではないが、偶に聞くと、非常に面白い。パーソナリティーの中で群を抜いて、個性的なのは、加藤諦三氏である。早稲田大学の名誉教授であるが、私の父が大学生の時に、講師か何かの肩書で、早稲田大学で講義をされておられたようだから、相当のキャリアのお方だ。心理学がご専門のようで、数多くの本を執筆されている。ただ、個人的には、あまり読みたいと思わない。どこか、俗流心理学のようで、自分の人生に響いてこないように感じられるからである。心理学ブームは、一時期よりも、下火になった。しかし心理学に関心を持つ人は依然として多い。「テレフォン人生相談」が、ネット時代になっても続いているのは、この番組が、魅力的であるからだと思う。加藤諦三氏は、格言を好む。人生相談の内容と全くかけ離れたものであっても、強引に格言でまとめようとする。この芸当は絶対に加藤諦三氏にしかできないだろう。また、加藤諦三氏の声が良い。ピント外れの回答であっても、説得力があり、何か、勇気を与えられるような錯覚に陥る。法律や心理学の専門家が、アドバイスする番組構成も素晴らしい。抽象的なことより、生活していく上での具体的なアドバイスの方が大切なことも多い。新聞や雑誌の人生相談に欠けているのは、そうした視点ではないだろうか。新聞の人生相談なんか読むに耐えないものが目に付く。あらかじめ想定できる、人生の悩みとアドバイスを書いているだけで、つまらない。先日、「テレフォン人生相談」を聞いていたら、相談者のスマホの充電が無くなって、電話が中断されるという、ハプニングが起きた。感動したのは、加藤諦三氏が、慌てふためくことなく、相も変わらず、格言で番組を締めくくったことだ。この番組がやらせでないことを証明する出来事である。それにしても、加藤諦三氏の度胸は相当なものだと思う。周囲に惑わされずに、自分流を貫くスタイルから学ぶべきことは多い。