孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

マンネリ化して面白くない「ドキュメント72時間」

ドキュメント72時間」というNHKの人気番組がある。もう、ネタ切れで、作り手も、苦労しているのではないだろうか。非常に人気があるのだが、私は、この番組が嫌いである。どこか、押し付けがましい所がある。「皆、色々、苦しみを抱えながら、日常生活を送っているというような」、テーマ性が、嘘くさくて、生理的に受け入れ難い。第一、偶然にそのようなドラマチックな人生を送っている人を見つけるのは、少し不自然である。また、タイミング良く流れる、松崎ナオの「川べりの家」も悪趣味としか思えない。取材を受けた人が、何か発言する度に、ナレーションが入るのも不愉快きわまりない。「何とかだって。」「何とかかな。」これらの言葉、関西人の私からすれば、違和感を感じてしまう。若い、ディレクターも話を引き出せるような、個性的な人を狙っているのが見え見えである。この「ドキュメント72時間」と非常に似た、テーマの話を書く、上原隆という作家がいる。「友がみな我よりえらく見える日は」「雨にぬれても」「こころ痛んでたえがたき日に」など数多くの著作を手掛けてきた。市井の人に取材をする、ルポルタージュ・コラムと呼ぶらしいけれど、あまりにも安っぽい。三文小説のようで、深みがない。世間でよくありがちなことを脚色して、お涙頂戴ものに、仕立て上げる手法は、ノンフィクションの本質から大きく逸脱している。「ドキュメント72時間」も最初の頃は、それなりに構成がしっかりしていて、質の高い作品もあった。3日間、定点観測するというのは、斬新で、これまでのドキュメンタリーにはなかったように思える。ただ回を重ねるごとに、視聴者も想定できるようになってくる。今週のテーマであれば、どういう方向展開になるかが分かる。そうした予定調和を好んで、見ている人には、都合の良い番組なのだけれど。ドキュメンタリーは、見る者に強烈なインパクトを与えるぐらいでなければ、面白くない。テレビという媒体にそうしたテーマ性を持った番組を求めるのは土台無理な話なのかもしれない。