孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

取り調べ中に暴行を加えられ死亡か?奈良県警が真相を闇に葬った事件

2010年2月6日に入院患者に、必要のない手術を行い、死亡させたとして、業務上過失致死の容疑で塚本康彦医師が逮捕された。塚本康彦氏は、その日から奈良県警桜井警察署の留置場で取り調べを受ける。2月25日に死亡し、遺体を見た家族は、足にどす黒い内出血が広がり、写真で見た、小林多喜二の遺体のようで、衝撃を受け、病死ではないと確信して、2013年に奈良県を相手に約9700万円の損害賠償を求める民事裁判を提起する。しかし、奈良地裁阪高裁も、棄却する。家族は、岩手医科大学法医学講座の出羽厚二教授に助けを求める。出羽厚二教授は、時津風部屋で、力士が暴行され、死亡した事件の被害者の遺体を解剖し、愛知県警の不正を追及された、優秀な法医学者である。病死ではないことが分かり、2016年出羽厚二教授は、「勾留中の男性が死亡したのは、取り調べ時の暴行による、急性腎不全である。」として、警察官2人を特別公務員暴行陵虐致死容疑で、刑事告発する。残念なことに、奈良地検は、不起訴。検察審査会も、不起訴相当という決定を下す。信じられない事件であるが、取り調べ中に、被疑者が、謎の死を遂げる事件が後を絶たない。取り調べ室という、ブラックボックスで、何が行われているか、外部からは窺い知ることはできない。犯罪を犯した人間だから、多少の暴力を伴った取り調べも許されるという、警察の捜査に歯止めが利かないのではないだろうか。犯罪者も、ひとりの人間であって、警察官が、寄ってたかって殴り殺しにしても、罪に問われないとしたら、あまりにも絶望的である。この事件の出羽厚二氏の勇気ある行動は、もっと社会的に評価されるべきだと思う。死亡の原因が、警察官らの暴行とわかっても、見て見ぬ振りをするのが大抵の人間である。何故ならば、警察組織が恐ろしいからだ。しかし、出羽厚二氏は、不正に目をつむることなく、警察官2人を刑事告訴した。これほど、正義のを貫く人は、今どき稀有な存在ではないだろうか。この事件のような悲劇が起こらないためにも、全ての事件において、取り調べの可視化が必要である。