孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

兵庫県警の10年越しの逮捕を称賛する風潮に違和感 

神戸市北区で、2010年私立高校2年の堤将太さんが殺害された事件で、兵庫県警は4日愛知県内に住む、パート従業員の少年を殺人容疑で逮捕した。捜査関係者によると、元少年は、当時現場近くに住んでいた可能性があり、詳しい経緯を調べている。遺族の方は、犯人が逮捕されて、救われたことだろう。しかし、この逮捕劇をめぐって、ネット上で、兵庫県警を大絶賛する声が挙がっているいることに対して、私としては、非常な危険性を感じてならない。現場近くに住んでいる可能性があったにもかかわらず、11年もの年月を費やすことが、果たして、優秀な捜査と言えるものなのか、はなはだ疑問だ。やはり、一般的な国民は、「警察は、治安を維持し、正義を行使する実行機関であると」錯覚している。兵庫県警で忘れられない事件の1つとして、2002年に発生した、「神戸大学院生リンチ殺害事件」がある。ウキペディアに詳しいことが書き込まれているが、何よりも参照になるのは、黒木昭雄氏の、「神戸大学院生リンチ殺人事件 警察はなぜ凶行を止めなかったのか」草思社。この本ほど、警察捜査の本質に迫った本はない。さすが、元警視庁巡査部長で、退職後は、警察批判を続けてこられた黒木昭雄氏の力作だと思う。「神戸大学院生リンチ殺人事件」の核心は、犯人が、山口組暴力団員であったことに、通報を受けた警察官たちが、恐れをなしたことにある。殺害されることになった、大学院生は、警察官たちが駆け付けた時には、暴力団員の車の中に押し込まれていた。常識的に考えると、警察官は、そのことに気づいていたはずなのに、知らぬ振りをした。地域課の警察官であって、暴力団と対峙する4課の警察官ではないため、警察組織の連携がうまく成されなかったのではないかという意見は、大間違い。ただ、単に相手が、山口組暴力団員であったことに、及び腰になっただけのことである。「神戸大学院生殺害事件」の大学院生への暴行は凄まじもので、鬼畜の所業である。やくざの本質が表れたとしか言いようがないだろう。そして、何よりも許せないのは、何回も大学院生を救出する機会があったのに、見殺しにした、兵庫県警だ。こうした過去の事件がある限り、手放しに、今回の兵庫県警の逮捕劇を礼賛する事は絶対できないし、してはならないと思う。