孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

神戸高校生殺害事件 容疑者を面白おかしく報道するメディア

2010年、10月高校2年の堤将太さんを刺殺した男が逮捕された。メディアは、こぞって兵庫県警の逮捕劇を称賛し、今度は、被告人の素顔を興味本位で報道し始めた。容疑者は、被害者の堤さんと面識がないにもかかわらず、堤さんが少女と一緒にいる様子を見て腹が立ち、殺害した旨の発言をしている。この脈絡のない言動を考えれば、何らかの精神疾患を疑い、刑事責任能力が問われるか否かの、精神鑑定を行うのが原則だと思う。もし、精神障害が認められれば、刑罰の在り方も異なってくる。その辺の微妙なことは、メディアも熟知しているはずなのに、商業主義に支配されて、被告人と家族のことを調べ上げ、あることないこと書きたてる。かつて世間を震撼させた、東京、埼玉連続幼女誘拐殺害事件の宮崎勤という男がいた。この宮崎勤の家族は、メディアの報道によって、崩壊したといっても良いだろう。父親は自殺。姉は会社を退職し、決まっていた婚約を破棄する。メディアも含め一般市民も「加害者憎しとういう感情」だけで、直接犯行に関与していない家族にそこまでの制裁を与える権利などない。高校生を刺殺した、パート従業員の男について、次のように書いている。容疑者は、デジタル画像の加工やデザインなどの仕事をしていた。ホームページやSNSなどで、加工技術や方法などについて、詳しく発信している。髪の長い女性が、暗い風景に立ち、「死の欲動」というタイトルが付けられた、不気味なコラージュが、SNSにUPされている。容疑者のSNSには、憎悪の感情に悩まされている方のお役に立てるとづづり、不都合は、他人のせい、被害者ヅラした自分に気づく。この文面からして、何らかの精神疾患の可能性を視野に入れるべきなのに、猟奇的な犯行を実行した人間を面白可笑しく報道しようとする意図が見え見えである。また、精神鑑定などというのも、かなりいい加減なもので、宮崎勤容疑者の精神鑑定では、意見が分かれた。「人の心の闇」などと、安っぽい言葉で被告人を断罪する権利など誰にもないのではないだろうか。「人の心」などそんなに単純化できるものではないと思う。