誰かの失言がワイドショー的ネタになった時に、ダウンタウンの松本人志に意見をお伺いを立てるような風潮はいかがなものかと思う。確かに、頭の回転が速く、独自の視点を持っていることは、誰もが認めることができるが、松本人志自身、清廉潔白で正しい人間なのかはなはだ疑問である。張本勲氏が、女子ボクサーに対する揶揄発言を謝罪した。それに対しては、「今回の言い訳というか、これは発明やなと思った。これが許されるなら何をしてもいいですね」と指摘。そもそも、張本勲氏の発言自体、それほど問題視することではなく、「女性の人権」を過剰に主張する、フェミニストの言いがかりに過ぎない。松本人志は、事の本質を見逃して、世間に迎合しているとしか思えない。また、メンタリストⅮａiＧоの生活保護受給者、ホームレスに対する発言の謝罪については、「本人はどこか炎上でやったんですよね。思ったより炎上したから、ビビっちゃたのかな」続けて「１回こういうことがあった人のYouTubeは無視した方がいいと思っているけどね」と斬り捨てた。意図的に発言したのではなく、ただの無自覚で発言し、差別意識が露呈しただけのことである。他人の差別発言について、とやかく言う権利があるのだろうか。ダウンタウン自体、社会的に弱い立場の人を揶揄したり、差別的な発言が多い。松本人志が爆笑問題に土下座を強要したという噂はあまりにも有名である。ホットドッグプレスの連載で、爆笑問題が、松本人志の私服について皮肉った。松本は、今田耕司らと共に、爆笑問題を呼び出し、土下座するか、パイプ椅子で殴られるか、芸能界を辞めるかという選択肢を迫った。このような形で、権力を誇示する人間に、人様のことをとやかく言う権利があるのか、はなはだ疑問である。お笑い界を支配している吉本興業の体質も、何かと問題が多い。維新の会と蜜月であること自体、個人的に不愉快だ。大阪では、維新の会が圧倒的に人気があり、橋下徹が、関西ローカルに出演すると、異常な気の配り用。よくよく考えると失言をした人は、それほど、芸能界では大物ではないケースが多い。松本人志は、そうしたことを計算しているきらいがある。弱い者をたたく前に、維新の会のような、薄汚い権力を批判するべきだと思う。
