孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

知的障害のある安永健太さんを圧死させた佐賀県警

2007年9月25日の夕方、安永健太さんは、障がい者の作業所から自転車で帰宅途中に、佐賀市内のバイパス道路で、パトーカーに乗った警察官らに不審者と勘違いされた。安永健太さんは、びっくりして、スピードをあげて、赤信号で停車中のバイクに追突し、自転車から投げ出されて転倒。警察官らが、駆けつけて、「ウー、アー」としか言葉を発することができない、安永健太さんを組み伏せて、応援に駆け付けた警察官らとともに、うつぶせに押さえて、手錠をかけて圧死させた。父親の孝行さんは、病院で「頭から血が流れ、体中は、擦り傷だらけ」という変わり果てた遺体と対面することになる。警察は、「錯乱状態になっていたので保護した」と父親の孝行さんに説明したという。この事件は、2008年に特別公務員陵虐致死の疑いで、警察官らを告訴するが、佐賀地検は、不起訴にする。そして、福岡高裁でも、、控訴を棄却。最高裁で、警察官らの無罪が確定している。こうした警察官の不法行為を訴える、付審判請求は、ほとんど、警察側が、無罪になり、実質的な機能を果たしていない。安永健太さんの事件は、特に酷いケースである。「ウー、アー」という言葉しか発せない、重度の知的障害の青年を、警察官らが寄ってたかって、押さえつけ、手錠までかけて、死亡させている。とても、人間のすることではない。鬼畜の所業である。また、裁判所が、目撃者の証言などを無視し、警察の肩も持ったことも許せない。裁判官の大半が、「警察は、国家秩序の安寧を維持する執行機関」と認識する、保守的な思想を持つ人なのは、あまりにも絶望的だ。こうした、警察官の職務上の犯罪については、裁判員制度の対象とするべきだ。さもなければ、「職務執行は、適切だった」の一言で、闇に葬られてしまう。父親の孝行さんと弁護士らが中心になって、「安永健太さん事件に学び共生社会を実現する会」が、「警察官職務執行法」を改正しようとする意見書をまとめ、9月25日にシンポジウムを開く。大いに期待する所であるが、福祉の視点から、「警察職務執行法」改正を論じてみても、期待できない面もあるように思えてならない。警察官が、不審者を取り押さえる名目で、死亡させている事件は、枚挙に暇がない。警察官の、「不審者あるいは、素行不良者であれば、人権などなくて、何をしても許されるとういう」、意識が改善されない限り、悲しい悲劇は、根絶しないだろう。