孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

姉を殺害した弟 母親は「良かったね」と語りかける 裁判員裁判の判決は軽すぎるのではないか?

2020年10月千葉県市原市で車でわざと事故を起こして、助手席の姉を殺害したとして、殺人罪に問われていた男の裁判員裁判で、千葉地裁は、7日、執行猶予のついた有罪判決を下した。佐々木一夫裁判長は、「車は破損していて第三者を巻き込みかねない、極めて危険な犯行」と指摘。そのうえで、「うつ病の影響で犯行を思いとどまることは困難で、被告人を強く非難することはできない」として、懲役3年執行猶予5年の判決を下した。高澤被告は、両親と姉の4人暮らしで、高校卒業後は、勤務していた工場を辞めて、祖父母の介護をしていた。姉の絵理花さん、メンタルクリニックに通い、うつ病や、発達障害の診断を受けて、20年は仕事もしていない状態であった。また、母親に、「死にたい」「殺してくれ」「なんで産んだの」と訴えていたようである。裁判において、母親は、死を望んでいたから、「良かったね」と言った。父親も、自分の娘である絵理花さんが殺害されたにもかかわらず、高澤被告を非難することもなく、寛大な処分を求めていた。この事件には、悲しい家族の姿がある。詳しいことは、報道されていないが、殺害された姉の絵理花さんが、ひきこもり状態にあり、精神的に病み、家族は翻弄していたのではないだろうか。母親に「死にたい」「なんで産んだの」と訴え続けていたのは、本当の意味で救いを求めていたように感じてならない。本事件は、一般市民が参加する、裁判員制度の対象である。おそらく、弁護側が、いかに、家族が疲弊して、高澤被告が、姉の絵理花さんを殺害しても、仕方がない状態にあったかを印象づけたのではないだろうか。そして、裁判員たちも、高澤被告に同情するようになっていた。この裁判では、死んでいった、姉の絵理花さんの無念さが、まったく配慮されていない。裁判員制度において、しばしば、裁判員たちの情緒的な判断が、判決に影響してしまうことがある。まさに、本事件がその最たるものではないかと思う。姉の絵理花さんのように精神的に病んだ子供を持つ家族は、かなり存在するだろう。しかし、子供との対話を避けていては、何一つ解決することはない。止むに止まれない事情があったにしろ、姉を殺害した罪は、問われるべきであって、懲役3年執行猶予5年の判決は妥当なものではない。