孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

大谷翔平が愛読する「中村天風」の危険な思想

エンゼルス大谷翔平が愛読していたことから、中村天風の著作が注目を集めている。大谷翔平の受賞をきっかけに、Amazonの売れ筋書籍ランキング総合30位以内に、中村天風の、「ほんとうの心の力」と「運命を拓く」の2冊が、ランクインしている。成功した人が、愛読していた本が、ベストセラーになるのは今どきである。偶然、その本を読んでいただけのことで、安易に飛びつくのは、いかがなものかと思う。この中村天風は、パナソニックの創業者松下幸々助や京セラの稲盛和夫などの経営者にも影響を与えた。こうした企業の経営者が愛読する本の中には、危険な思想を説いているものも、少なからずあるような気がしてならない。中村天風もそのうちの一人である。学生時代に、喧嘩で相手を刺殺し、日清日露戦争で軍事探偵として活動する。戦後、結核を患い、ニューソート作家の著作に感銘を受けて渡米。そして、玄洋社のメンバーである。玄洋社は、頭山満らを中心として、結成した、超国家主義団体で、対外強硬策を取った右翼である。ファナティックで、非常に危険な集団ではないかと思う。そうした歴史的背景を無視して、中村天風の思想を妄信するのは、無知を曝け出す以外の何物でもない。「自分の欲を捨てろ」という本が多いなか、中村天風は、「自分の欲をかきたてろ」というものらしい。ポジティブシンキングは、成功の秘訣であるかもしれないが、ありきたり過ぎだ。大谷翔平のような才能があれば、ポジティブシンキングを持てば、成功への道は保障される。しかし、私たち、凡人の場合、そう単純にいかない。読書界において、自己啓発書が、常にベストセラーになって久しい。多くのビジネスパーソンが手に取るだろうが、そうした本を熟読するほどに、成功は遠のいていくような気がしてならない。成功する人の手法を真似ても、何の意味もない。大切なのは、独創性と創造性ではないのか。自分の確固たるスタイルを身につけるには、自己啓発本は、百害あって一利なしである。こうした自己啓発書を、氾濫させる出版社の功罪も大きいように思えてならない。