孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

無罪請負人 弘中淳一郎弁護士よりも注目されるべき凄腕の弁護士今村核氏

「日産ゴーン事件」「ロス疑惑」など数多くの刑事弁護を担当し、別名を「無罪請負人」と言われる、弘中淳一郎弁護士は、最も名の知れた弁護士である。氏が、弁護人、代理人を務めた人間は、武富士武井保雄堀江貴文小沢一郎など錚々たる面々である。本来、刑事弁護人は、社会的弱者である犯罪者を支援するべきで、氏のように、地位や名誉がある人物ばかり弁護するのは、いかがなものかと思う。私が、注目しているのは、今村核弁護士である。今村核氏は、業界に詳しい人なら誰でも知っている人物だ。NHKの番組で紹介された内容が、今年「雪ぐ人」佐々木健一著、新潮文庫で書籍化されたが、話題にならなかったのがあまりにも残念。今村核氏は、弘中淳一郎氏のように、大きな事件よりも痴漢冤罪など軽微な事件を担当する。しかし、その弁護手法は、凄まじいものがある。痴漢事件では、被害者の女子高生が、「パンツのゴムが緩んでいた」と証言すれば、同じ設定で何度も再実験を繰り返す。バスの中で、被告人が、メールを彼女に送ったと言えば、秒単位で、携帯を持っていない手で、痴漢をなし得たかを追求していく。氏は、「証明の科学化」と言っているが、そもそも弁護人が、そこまでする義務はなく、「犯人でない可能性」を裁判官に印象づければ良いのである。今村核氏の「被告人を何とか無罪にしてやりたい」という情熱には圧倒させられる。NHKの番組で放送された時の、今村核氏の外見を見て驚いた。眼光鋭い、いかにも、やり手弁護士とは、程遠い、巨漢で芒洋と人物であったからだ。しかし、そのギャップがまた魅力的に感じた。今村核氏は、超エリートの父親との確執を抱えていた。東京大学法学部に入学し、生活に困窮する人たちを支援するサークルで活動するなどして、氏の思想的なバックボーンが形成していったのではないだろうか。氏が、語る言葉で印象的なものがある。「そうですね。私、若いとき、神経症だったから、青春の楽しみなんてなかった」「逆に、私は、勾留されてた被告人の心情なんかは、他の弁護士よりもどちらかというと良く分かるんですよ。なんで分かるのかと言ったら、自分が孤独だったからですよ」「だから、単に可哀想な人とかね、そんな風には思わない。やっぱり、自分の性格もかなり誤解されやすくて、それによって苦しんだこともありましたし。孤独だった中学、高校時代とかが、被告人の孤独とも重なってくるんですよね」。単に、ビジネスライクではなく、被告人の心情に自分を投影する、今村核氏は、本物の刑事弁護人である。