孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

東大刺傷事件 「有名私立高校の偏差値が高ければ医学部に」という偏った進路指導は是正するべき

東京大学弥生キャンパス「農正門」の路上で、高校2年生の男子生徒が、刃渡り12㎝の包丁で、通行人を背中から次々と切りつけ、「来年、東大を受ける」と絶叫した事件が発生し、話題になっている。少年は、前日14日から行方が分からなくなって、父親が、愛知県警に不明届を提出していた。親に無断で外出した、少年は、「名古屋から15日朝6時に東京へ着く高速バスに乗った」と話している。この事件につて、様々な解釈がなされている。近頃、発生する「無差別殺傷事件」を模倣したことは、間違いないだろう。この少年が通っていた高校は、愛知県の進学校で、医学部進学実績が群を抜いていることが判明した。偏差値教育などという言葉は、過去の遺産になってしまった。大学全入時代になって、選り好みさえしなければ、どこの大学にでも入学できる。その一方で、東京大学と国立大学の医学部だけは、狭き門になっている気がしてならない。東京大学、医学部の合格者の大半は、有名私立高校出身者で占められている。昔は、都立高校、そして地方の公立進学校の出身者が主であった。また、首都圏のみならず、地方でも、「お受験」が過熱している。中学受験のために、小学校低学年から塾に通わなければならないのは異常である。私も、この少年が通っていた、高校ほどではないが、「医学部進学実績の多い」地方にある私立の中高一貫校に通っていた。もうかなり昔のことであるが。私は、まったく勉強せず、落ちこぼれであったが、学校の雰囲気がおかしかった。成績順にクラスを編成していて、一流大学に入るためだけの予備校のような所であった。徹底した管理教育、体罰は当たり前、教師も、「生徒をどれだけの人数を、一流大学に合格させるか」とういうことしか頭になく、人間的な交流などなかった。特に、「数学の成績が良い者は、医学部を受験させる」という進路指導がなされていた。この少年の通っていた高校は、医学部の合格者が、かなり多いことから、同じようなことが想像できる。毎年、「サンデー毎日」「週刊朝日」といった雑誌が、東京大学や有名大学そして、医学部の高校別合格者数を掲載する。雑誌の売れ行きを見越してのことであるが、悪しき習慣以外の何物でもない。「偏差値が高いから医学部」という進路指導は、柔軟性がなく、弊害をもたらすだけである。勉強だけできて、患者の痛みが分からない医者が増えるばかりだ。