孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

40歳のひきこもりが「生き方を否定されて」姉と母を殺害する 家庭内で何があったのか?

千葉県流山市の自宅で、母と姉を殺害したとして、殺人の罪に問われた無職の本多新被告の裁判員裁判の初公判が、18日に、千葉地方裁判所で行われた。本多新被告は、起訴内容を認めた。事件は、2020年の12月31日に発生した。流山市の自宅で、母と姉を、刃物で刺して殺害した。流山署によると、本多被告から、「救急車お願いします」という110番通報があった。署員が、駆けつけたところ、母親と姉が刺された状態で発見された。その後、本多被告は、「包丁で母と姉を刺した」と交番に出頭した。本多被告は、大学3年で中退して、実家で、18年間ひきこもり生活を送っていたという。「母と姉に幼少期から、否定された影響だとして、殺害を考えるようになり、姉の帰省を見計らって、実行した」と供述している。何とも痛ましい事件である。こうした事件があると、決まって、「ひきこもりは犯罪を犯しかねない」という差別と偏見に基づいた報道がなされる。殺人事件において、「ひきこもり」が関与している割合は、極めて小さいのではないだろうか。ただ看過できないのは、長年に渡って、社会との接触を断っていると、何らかの、精神的な不具合が生じることは、間違いないと思う。本多新被告が、「母と姉に幼少期から、否定された」というのが犯行の動機である。これは、精神疾患による妄想なのか、それとも、本多被告の家族の病理が、確固として存在したのか、見極める必要があるのではないだろうか。近年、ひきこもりの高齢化を象徴する、「80・50問題」だけが、いたずらに喧伝されている。「親が死んだ後、ひきこもりは、どのようにして生活していくか」は、不可避なことではあるが、もっと大切なことがあるように思える。本多被告は、大学3年生で、実家に戻って、18年間もひきこもった。同世代の人間は、就職して、結婚していく。「自分だけが、取り残されていく」という絶望的な孤独感あるいは、虚無感が、本多被告を支配していたことは間違いないだろう。そうした、高齢のひきこもりに対する支援が必要であるが、行政のひきこもり支援は、形式的なもので、とても対応できていない。「ひきこもり」が、社会問題化して、20年経過したが、現状は何一つ変わっていない。今後、ますます、高齢化したひきこもりは、社会的に追いつめられていくだろう。