孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

「アー、ウー」しか言葉が出ない知的障害の青年を5人がかりで制圧して死亡させても許される佐賀県警 何故この事件に対して国民から怒りの声が上がらないのか?

2007年佐賀県で、障害者施設から帰る途中で、安永健太君が、5人の警察官によって職務質問されて、死亡した事件が発生した。事件は、安永健太君が、不審者に間違われたことを契機にとんでもない方向に展開してしまう。職務質問された、安永健太君は、まず2人の警察官に組み伏せられた。そして、残りの3人の警察官が、うつ伏せに押さえ込み、後ろ手に手錠をかけた。その結果、安永健太君は、心臓が停止して、救急搬送された病院で死亡した。父親の孝行さんは、警察官から、「錯乱状態になっていたので、保護した」と説明される。警察官の証言は、余りにも矛盾に満ちたものであった。その一つとして、安永健太君は、「車道を蛇運転していた」という警察側の証言。近く防犯カメラを解析すると、「車道を走っていたが、決して、蛇行運転していなかった」。安永健太君は、重度の知的障害があり、「アー、ウー」ぐらいしか言葉が発せなかった。そんな青年をそもそも、警察官が、職務質問すること自体おかしい。それも、5人の警察官が寄ってたかって、行き過ぎた、制圧の仕方をしている。うつ伏にさせた上に、後ろ手に手錠までかけている。とても、人間のすることではない。遺族は、警察官5人を特別公務員暴行陵虐致死罪で、付審判請求した。最高裁まで争うが、2012年最高裁第二法廷は、遺族の上告を棄却して、5人の警察官の無罪を確定させた。付審判請求という制度は、警察官の違法行為を訴える制度であるが、ほとんど機能していない。違法行為をした警察官を守るため、警察は、組織をかけて、被告人となる警察官の有利になる証拠を裁判で提出してくる。通常の裁判であれば、有罪率が、99,9%となるが、付審判請求では、真逆の判決が下させる。つまり、被告となる警察官が、有罪とならず、無罪となる。これほど理不尽なことはあるだろうか。安永健太君への5人の警察官の職務質問は、行き過ぎた、有形力の行使であって、誰の目にも違法であることは明らかだ。それでも、裁判所は、警察に与する。警察は、国家の治安を維持するなら、多少手荒なことをしても許されるという暗黙の了解がある。警察官が違法な職務質問をして、何の罪もない人間が死亡する事件が後を絶たない。警察官にとって、法律などあってないようなものである。やりたい放題の警察を問題しないこの国も異常だと思う。安永健太君は、近所の中学生とキャッチボールなどをする心優しい性格であったという。5人の警察官によって死亡させられた安永健太君の死は、余りにも無念だ。