孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

元警視庁刑事の寺尾文孝 政界、警察、芸能界の守り神は自ら「仕事人」と名乗るが、正義の味方である「必殺仕置人」に失礼

「闇の盾 政界・警察・芸能界の守り神と呼ばれた男」寺尾文孝著、講談社刊という本が、非常に人気を博している。私の住む市の図書館では、昨年から予約が殺到していて、いまだに借りることができない。私は、市立図書館と県立図書館を併用している。偶々、県立図書館で、何か面白い本がないか探していたところ、この本を見つけた。私の住む自治体では、市立図書館が民間委託して、新しい時代に対応した図書館なので、利用客が非常に多い。一方、県立図書館は、つぶれそうなぐらい利用客が少ない。図書館の問題はさておいといて。早速私は、この本を読んでみた。内容が非常にくだらないので驚いた。何故、こんな本が図書館で予約待ちなのかと不思議でならない。寺尾文孝は、警視庁に勤務して、機動隊に所属し、将来を嘱望されていた。しかし、天職とは思えず、5年で辞めて、自ら商売を始める。そんな折、元警視総監の泰野章参議員議員に見込まれて、私設秘書を務めることになる。秦野章といえば、立志伝中の人物である。警察官僚の大半が、東京大学を卒業しているが、泰野章は、苦労して、大学の夜間部を卒業して、警視総監のまで上りつめた人間である。そのためか、エリート官僚にありがちな視野狭窄で、頭でっかちなタイプとは違い、柔軟性があり、一部の人たちからは、カリスマ的に支持されている。私は、嫌いである。所詮、警察の飯を食ってきた人間は、どこもまでも警察官である。寺尾文孝は、バブル期には、大証一部上場企業「日本ドリーム観光」の副社長に抜擢される。原因は、ドリーム観光が、元山口組暴力団長で、地上げ屋の池田保次に乗っ取られかけていたからだ。寺尾文孝は、池田保次を排除することに成功する。以後、その強面を生かして、政治家、宗教団体、芸能人などから、持ち込まれる相談を解決する、トラブルシューター的な役割を果たしていく。なるほど、寺尾文孝は、強面な面だけではなく頭が切れると思う。ただ、本の最後に仕事人とあったのが、私には気に食わない。世の中には、裏と表があって、寺尾文孝のような汚れ仕事を引き受ける人は必要にならざるを得ない。しかし、「必殺仕置人」は、虐げられた庶民の味方で、巨悪を倒すのである。安易に「仕事人」などと名乗って貰いたくないと思う。