孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

無実のプロボクサー 死刑囚の汚名を着せられて56年 いかに取調べが過酷であったか 最後は警察官に無理矢理に自白させらる 89歳の姉の無念に誰も関心を持たないのか?

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戦後最大の冤罪事件は、袴田事件であると、私は、思っている。冤罪の中には、非常に複雑で、担当した弁護士でないと分からない複雑な事件がある。しかし、袴田事件ほど、素人目にも完全に警察によってでっちあげられて、自白をして、裁判所が、おかしい事実認定をした事件は、他にないだろう。数多くの袴田事件の著作を読んでみると、中学生の読解力でも、袴田巌さんは、無実であることぐらい理解できる。最近では、ネット上に、真犯人と思しき人の名前まで浮上している始末である。袴田事件は、昭和41年静岡県清水市で、味噌製造会社の専務の自宅が、放火されて、一家4人が殺された。アリバイがなかったこと。左手中指をけがをしていたこと。殺された専務は、巨漢で、柔道をしていて、相手できるのは、元ポロボクサーの袴田巌さんしか考えられないこと。こうした状況証拠を基に、警察は、袴田巌さんが、本事件の犯人であるという勝手なストーリーを作りあげる。袴田巌さんへの警察の取り調べは、想像を絶するものであった。暑い8月のさなかに、一日平均12時間、多い日は、16時間という密室での過酷な取り調べがなされた。袴田巌さんは、意識が朦朧とする中で、自白調書に判を押してしまう。プロボクサーで、激しい減量とトレーニングに耐え抜いた、袴田巌さんでさえ、屈服してしまうのだから、いかに警察の取り調べが、過酷であったかを物語っている。袴田事件の不自然な点を挙げれば限りがない。裁判で争点となっているのは、犯行着衣とされている5点の衣類のDNA鑑定である。最初は、パジャマに微量の血痕が付着していたことから、パジャマを着て犯行に及んだとされた。しかし、事件から、1年2か月後、味噌タンクから、5点の衣類が発見される。警察は、犯行着衣をパジャマから、5点の衣類で犯行に及んだという新たな筋書きを作る。おそらく、犯行着衣が、パジャマであれば、裁判において、袴田巌さんに有罪判決を下すことができないと考えた、警察が、5点の衣類を捏造したのだろう。2020年12月22日に、最高裁三法廷は、再審を認めた静岡地裁決定を取り消し再審請求を棄却した東京高裁の決定を取り消して、東京高裁に差し戻す決定をした。この日の新聞は、一面に袴田事件の記事が掲載された。しかし、次の日からは、ほとんど触れようとしなかった。一般市民も、全く無関心。袴田巌さんは、88歳。しかも、死刑の恐怖からくる、拘禁反応で、精神に異常をきたしている。袴田巌さんの無実を信じ続け、一貫して弟を支えた、袴田秀子さんは、89歳という高齢。袴田秀子さんは、母親が、息子が死刑囚にでっちあげられた、ショックで死んだ。その母親のために、今日まで気丈に生き抜いてきたという。いたずらに裁判を長引かせ、袴田巌さんに無罪を下さない、裁判所のやり口は許せない。冤罪というものが、ひとりの人間だけでなく、家族の人生を壊してしまうことの理不尽さ。司法に携わる者のみならず、一般市民も理解を示すべきだと思う。