孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

NHKディレクター「限界集落」に住んでみた 「田舎暮らし」を美化し過ぎる 実際に大分では「村八分」にされるトラブルも発生しているのに

NHKの「東北ココから」という番組を見た。企画は、20代のディレクターが、「限界集落」に1ヶ月だけ移住して暮らすというものである。見ていてい嫌気がさしてきた。あらかじめ内容が予測でき、番組内容がその通りに進行したからだ。コンビニも、スーパーもない、交通の便が不自由の僻地であるが、住んでいる人たちが心優しい人ばかりであるというテーマがあらかじめ決められていて、視聴者に、「都会の喧騒」を離れて、「田舎暮らし」に幻想を抱かせるのがこの種の番組の手法であるからだ。田舎の人が、都会の人より情があるという面は否定し難い。それと同時に、全ての田舎の人が、善人でお人好しとは限らない。その例として2019年に大分県で田舎に移住した70代の男性2人が村民から「村八分」にされて、訴訟を提起した。一人目は、70歳の男性である。生まれ育った大分県の山間のある限界集落を高校卒業後に離れ、兵庫県で公務員になった。2009年に母親の介護のために、故郷にUターンして農業を始めることになった。2013年集落が、農林水産省の「中山間制度」で、交付金を得ていることを知り、集落の人に質問したり、土地の交付金支払いに関することを市役所に聞きに行った。そうすると集落の人から「村八分」にされるようになったという。二人目は、73歳の男性。大分県の市街地に住んでいたが、障害のある長男と一緒に暮らすために、山間部に移住した。お金の使い方、その決め方に疑問を持ち、「運営から外れたい」と発言すると、「村八分」にされるようになったという。同じ時期に、大分県の違う山間部でこのようなことが起きたのは非常に驚きである。共通しているのは、最初は、「やさしく」接してくれるが、少しでも村落の住民と違う行動をすると、手のひらを返したような態度を取り始めることである。「同調圧力」の強い日本の悪しき伝統が、こうした形で表れるのではないだろうか。「田舎暮らし」に対して過度の幻想を抱いている人があまりにも多い気がしてならない。