孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

内田裕也 何もかもがロックンロール 一見して「危ない人」のように見えるが演技力は抜群 才能の塊のような人

内田裕也が亡くなって3年が過ぎた。内田裕也といえば、「危ない人」という世間のイメージが定着している。しかし、出演している映画を見ると、見事な演技で圧倒的な存在感を示している。今の芸能界で、内田裕也のようなポジションの芸能人が果たして存在するだろうか。私生活では、2回逮捕されている。一度目は、薬物使用。二度目は、交際中の女性宅に侵入して、強要未遂と住居侵入の疑いで原宿署に逮捕されている。逮捕されても、反省しないところがある意味凄いと思う。また。都知事選挙にも立候補した経験がある。1991年3月16日に2日後に公示を控えていた東京都知事選に立候補するためと選管事務局に赴き、事前審査の手続きを行う。急に立候補することになったのは、尊敬するアントニオ猪木が突然出馬を辞めたからである。選挙ポスターは、赤坂プリンスホテルの結婚式場で撮影した。そして、1枚ずつ直筆のサインを入れた。政権放送では、ジョン・レノンの曲を歌い、自らの経歴を語った。選挙演説は、トラックをステージにして、路上ライブ。4月7日に行われた選挙の結果は、34654票を獲得した。東京ドームを満員にする数字である。内田裕也が出演した映画で印象に残っているのは、「水のないプール」と「コミック雑誌なんかいらない」と2作に尽きるだろう。「水のないプール」では、退屈な日常を送っている地下鉄の駅員が、夜ごと、クロロホルムを使用して知らない女の家に忍び込み、強姦するというピンク映画のありきたりな設定である。しかし、内田裕也は、屈折した中年男の心情を巧みに演じている。「コミック雑誌なんかいらない」は、芸能レポーター木滑という役であるが、挑発的でふてぶてしい役が見事に内田裕也とシンクロしている。豊田商事ロス疑惑山口組vs一和会など当時世間を震撼させた事件を取り入れている。内田裕也の演技力は、あまり世間では評価されていない。出演作も際どい作品ばかりで、公序良俗を重んじる所謂、名作と言われるものではないからだ。しかし、これほど、作品によって存在感を提示できるのは、内田裕也がやはり名優である証しだと思う。