孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

学生政治団体「SEALDs」とは何だったのか?「安倍晋三辞めろ」「憲法を守れ」などはパフォーマンスに過ぎず 人生を賭けた学生運動の足元にも及ばなかった

「SEALDs」という大学生が中心となった政治団体があった。安倍晋三元首相の政権運営憲法観に危機を感じた学生たちが設立したものである。「SEALDs」の正式な名称は、「自由と民主主義の止めの学生緊急行動」という。世間の大半の人はもう忘れ去っているだろう。2015年の「安全保障関連法」に反対して一躍有名になった。特に、リーダーの奥田愛基は、タレントのようにテレビに出演していたような記憶がある。活動内容は、国会議事堂の周辺や渋谷などに集まって、デモ活動を展開し、ヒップホップ調の音楽を大量で流し、そのリズムでプラカードを掲げて「憲法を守れ」「自由を守れ」「安倍は辞めろ」などのシュプレヒコールを叫ぶものだった。彼らの活動を評価する評論家たちがいた。新しい時代の政治活動のスタイルであると大絶賛された。しかし私は、彼らには覚悟と本気度が全くなく、ただの軽いノリとサークル感覚で「政治の言葉」を嬉しがって発している目立ちがり屋にしか映らなかった。60年代、70年代前半の学生運動は、賛否両論がある。ただ、昔の学生運動の闘士たちは、「警察に逮捕されても良い」という覚悟で権力と対峙した点で「SEALDs」とは格が違うと、私は思う。この度小峰ひずみさんという作家が「平成転向論」という本を上梓して、群像新人評論賞優秀作に選ばれた。その小峰ひずみさんは、「SEALDs」について言及されている。同世代で「頑張っている」と共感しつつ、60年安保の時の「国会突入」といった実力行使を否定する態度に「甘さ」を感じていたと指摘。「国会に突っ込むことが今の社会の雰囲気的に難しいことは痛いほどわかる」としたうえで、「でも、その可能性をあらかじめ排除するのは、ストライキやデモによって社会構造を変えようと闘ってきた先人たちの蓄積を突き崩し、戦後民主主義そのものを否定することになるのではないか」と語る。まさに、「SEALDs」の本質を言い当てている。小峰ひずみさんは、まだ29歳の学者であるにも関わらずここまで書けるのだから、凄い才能の持ち主である。現代において、若者の政治へのかかわり方が、興味本位や軽い感覚なのがあまりにも残念である。