孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

「ドキュメント72時間」「だって」「そうかなあ」のナレーションと皆それぞれ苦悩を抱えているという番組の趣旨が押しつけがましい

NHKの金曜日の夜に放送されている「ドキュメント72時間」という番組がある。視聴率が良いのか、長く放送されていて、数日前に、今まで放送されたベスト10を選ぶ企画があった。司会は、山田五郎鈴木おさむ、そして、吹石一恵山田五郎は、こういう番組の司会をさせれば、本当に的確なコメントをする。視点が鋭く、誰にでもわかりやすい言葉で的確に話すからだと思う。ベスト1には選ばれなかったが、印象的だったのは、北海道大学学生寮を取材した回。イマドキ、あのような、時代錯誤の寮があることの意外性と郷愁を誘うことが目的なのかもしれないが。視聴者は、完全にあの寮が、「ドキュメント72時間」に出演してい個性の強い学生ばかりであると思い込んでしまう可能性があるのではないだろうか。冷静に考えれば、あの寮の大半の学生は、イマドキの若者であって、昭和ノスタルジーを喚起させる人たちではないと、私は思う。寮長選挙で、2人の若者がクローズアップされた。ダルビッシュ君とハラミ君というあだ名で呼ばれている学生。ダルビッシュ君は、イマドキの感じの子。一方、ハラミ君は、いかにも昭和風の大学生。最終的に、寮長は、ダルビッシュ君になる。ダルビッシュ君が寮長に選ばれるのは誰もが予測できることで、「ドキュメント72時間」の制作者に悪意のようなものを感じてならない。ハラミ君の方がよほど人間臭く、好感が持てるのに、選ばれない。そして、番組放送から、7年経過して、2人の消息を探すことになる。ハラミ君、ダルビッシュ君2人とも健在であることを突き止めるが、番組の持って回った感じが非常にわざとらしい。ハラミ君は、何年かかって大学を卒業したという。生出演するのは、大学を卒業して社会人として立派になっている、ダルビッシュ君。何故、ハラミ君を番組制作者は、出演させないのか甚だ疑問である。「ドキュメント72時間」の番組の趣旨は、人それぞれ苦脳を抱えて生きているというものだろう。番組の終わりに流れる松崎ナオの「川べりの家」が妙にマッチする。しかし、関西人の私としては、あの「だって」「そうかな」というナレーションを聞くと不愉快で仕方がない。人それぞれ苦悩を抱えているのは分かるが、「ドキュメント72時間の制作者」の独善的な視点が介入して、何処か押し付けがましい気がする。