孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

NHKの凄く感動するテレビ番組 「沁みる夜汽車」 16歳で亡くなった少年が「江ノ電」の運転手になる夢が叶う 涙なしでは見られない

NHK不定期に放送されている「沁みる夜汽車」という秀逸な番組がある。2019年よりBS1で1話10分で、放送は不定期。電車にまつわる「心温まるエピソード」を紹介する番組であるのだが、10分という短時間で、まるで一篇の映画を見たかのような、充足感に満たされる。イマドキこのような質の高い番組があったのかと思うほど中味が素晴らしいのである。私が見た中で最も感動したのは、「息子と車窓の風景を 江ノ島電鉄」という回である。生まれついて心臓の難病を抱えている16歳の新田朋宏君が、江ノ電の運転手になるという夢を叶えるが、その4日に亡くなる。そして父親の新田和久さんは、毎年11月11日の11時12分藤沢駅発鎌倉行きに乗るという何ともせつない話。江ノ電は、当初は新田朋宏君の望みには応えられないようであったが、熱意にほだされて、実現されることになった。ただし条件付きで。営業路線以外の車庫への引き込み線なら可能ということで、藤沢駅から引き込み線に入るまでは、運転席の後ろで、その後は、新田朋宏君が運転席に座るというものである。新田朋宏君は、満面の笑みを浮かべて喜んだのもつかの間、4日に亡くなってしまう。これは、作り話ではなく、実話であるからことさらに私たちの心に何かを訴えてくるものがある。新田朋宏君の母親も、4歳の時に同じ病気で亡くなっていた。小さい頃から施設で育ち、病と共に生きていた。江ノ電の運転手になりたいと、日頃から言っていて、父親は、何とか、息子の夢を叶えさせたくて行動を起こす。この回を見て、忘れられないのは、江ノ電の運転手になった新田朋宏君の写真である。不治の病で、「もう自分は、そう長く生きられない」ということを悟っていながら、笑う顔には、人間の崇高さのようなものを感じてしまった。新田朋宏君は、4日に16歳で亡くなる。私と同じ歳である。あれから、24年が経ったが、私は無様な姿を晒して生きているが、新田朋宏君は、生きられなかった。何も考えないで生きて来た私が責められている感情に苛まれてしまった。