孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

小沢仁志 「顔面凶器」で松井一郎に似ているが 筋を通した生き方を貫く これからの活躍も期待できる「凄い人」

小沢仁志と言えば、「顔面凶器」と呼ばれ、顔が怖いことを売りにしている。数知れないほど職務質問をされたことをネタにしているが、これまでの芸能生活は決して平凡なものではなくて、非常に苦労人である。「ビーバップハイスクール」という東映のやんちゃ映画に主人公の仇役で出演しているから相当の芸歴である。しかし、泣かず飛ばずで、売れることはなく、「Ⅴシネマ」に出演し続けてきた。小沢仁志は、若き頃に自ら監督を務めて、「Ⅴシネマ」を撮っている。名プロデューサーの奥山和由との出会いによって企画が決まった。奥山和由氏は、小沢仁志の事を「何度も、俺に主役をさせてくれと頼みに来た」「お前のその顔じゃ、到底主役になれない」と何度も言ったと述懐している。奥山和由氏の言葉には、小沢仁志への親しみと優しさがある。さすが、日本を代表する名プロデューサーであると私は思う。奥山和由氏は、小沢仁志のために、低予算で映画を撮らせたのだが、出来栄えは、非常に良い。小沢仁志を語るうえで、私が好きなエピソードが2つある。まずは、田原俊彦にブチ切れたこと。田原俊彦が、ファンにサインを頼まれて、うざがっていたのを小沢仁志が見て、「サインしたれや」とブチ切れたことだ。当時の田原俊彦は、芸能界の大スター。傲岸不遜な態度を取っても、誰も注意などできない。まして、無名の小沢仁志が田原俊彦に「ブチ切れた」ならどうなることやら。しかし小沢仁志は、相手が誰であれ、「損得を勘定することなく、理不尽なことにはキレる」という正義感を持った人である。次に、2000年に「新仁義なき戦い」という映画が公開された。小沢仁志は、脇役で出演していた。東映京都撮影所でのトラブル。東映京都撮影所には、高倉健菅原文太専用の部屋がある。その部屋に、小沢仁志が立ちいろうとして、スタッフに「お前らのごとき人間が、近寄れる場所ではない」と言われたが、一向に反省の色を見せなかった。吉永小百合がトラブルを心配したという。小沢仁志は、決して、裏表なる人間ではない。芸能界は、非常にいやらしい所で、「大スター」には、あげつらい、「無名の俳優」に対しては人間扱いしない。しかし、小沢仁志は、そういったことを嫌い、誰に対しても同じである。小沢仁志は、基本的に「演技が下手」である。しかし、味わい深い、人間臭さ、彼しか出せ得ない「空気感」を持った俳優である。松井一郎に似ているが、全然性格が違い、小沢仁志の方が魂が真直ぐである。それに比して、松井一郎は、魂が汚れている。「Ⅴシネマ」に出演し続けてきた経験と無名で不遇な時代を耐え抜いた「不屈の精神」が今の小沢仁志を形づくっている。今後も、まだまだ活躍できる「凄い人」だと私は期待している。