孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

上岡龍太郎さん追悼 関西の「コテコテ」の笑いと一線を画す「東京風」の粋な芸風 「探偵ナイトスクープ」が「アホな素人」の番組に堕したのは氏が芸能界を引退したから

上岡龍太郎さんが亡くなった。関西人であっても、今の若い人は、氏の名前を知らないのではないだろうか。はっきり言って、2000年に上岡龍太郎さんが、芸能界を引退して、「関西のテレビ」の質が低下したと言っても過言ではない。それを如実に示しているのが、近頃の「探偵ナイトスクープ」だ。「探偵ナイトスクープ」には、私は思い入れがある。中学、高校時代に、毎週金曜日の夜を楽しみにしていた。とにかく、面白かったのである。関西人が持っている素の面白さが、探偵たちによって、さり気なく引き出されて、「温かい笑い」を醸しだしていた。越前屋俵太北野誠、立原景裕という探偵たちも個性的で、今のくだらない「吉本芸人」は足下にも及ばない実力を持っていた。最近の「探偵ナイトスクープ」が、くだらないのは、「テレビに出たがるアホの素人」の依頼ばかりになったからだ。その企画を採用する、プロデューサーと構成作家の「資質」も疑問符を付けたくなる。もし、上岡龍太郎さんが、司会をしていたら、「今のような企画」を絶対許さないだろう。上岡龍太郎さんの芸風は、関西の「コテコテ」の笑いと一線を画し、東京風の粋なものであった。かといって「権力」と「権威」を嫌う関西人の精神も忘れず、独自の芸風で、東京へも進出する。上岡龍太郎さんは、知性の人であるが、時には暴走して、誤解を生むことがあった。しかし、根底にあるのは、「嘘くさいもの」に対する嫌悪感であったのではないだろうか。私の近所に「インテリ」を自称して、「選択的夫婦別姓」を早くから実践して、「禁煙運動」なんかをする「厄介なおばさん77歳」が住んでいる。この「厄介なおばさん」が、上岡龍太郎さんが司会する番組に素人として出演して、上岡龍太郎さんに「ブチ切れられた」。私が言いたいことは、上岡龍太郎さんは、その「厄介なおばさん」を一目見ただけで、「嘘くさい人間」と見破ったということだ。やはり、上岡龍太郎さんは、鋭い洞察力を持っていて、「人間の本質」を見抜く目があった。私が好きなエピソードは、相方の横山ノックが、選挙応援で、「女性のパンツ」の中に手を入れた事件で、上岡龍太郎さんは、「ノックは、やっている」とはっきりと言ったことである。実際に、この事件は、横山ノックは、「女性のパンツ」の中に手を入れている。それをあろうことか、「共産党」に仕組まれたとのたまった。事件の真相とは別に、上岡龍太郎さんの「ノックは、やっている」という一言にはかつての相方を見捨てる訳ではない、「微妙なやさしさ」がある。改めて、上岡龍太郎さんに追悼の意を表したい。