吉本住みます芸人という47各都道府県に吉本興業の芸人を住まわすという企画がある。私の住んでいる和歌山では、ワンダーランドという芸人が和歌山代表として選ばれている。おそらく、厳しい競争によって選ばれたのではないだろうか。今やお笑い芸人として、世に知られることは社会的成功を収めるより難しいことになった。このワンダーランド全く面白くないのである。ラジオやテレビに出ても、その辺に居ている若者と全く変わらず、とても芸人とは思えないのである。和歌山ということもあってか、農業の真似事をして、農作物の収穫を報告しているが、そんな事をわざわざ一般の視聴者が聞きたいとでも思っているのかと言いたい。毒にも薬にもならないことを公共の電波で喋るのは芸人としてのセンスを疑ってしまう。ただ彼らは真面目なのはテレビの画面から伝わってくる。お隣の徳島県に、ずばりタコ介という芸人がいる。元は四次元ナイフというコンビを組んで、探偵ナイトスクープの探偵に選ばれたこともある。しかし制作会社のデイレクターに暴行される事件に巻き込まれて、彼の芸人人生は大きく変更を強いられる。もっと売れるはずなのに、徳島に戻って、地元で活動している。ずばりタコ介は、47都道府県の「住みます芸人」に選ばれていない。一様ずばりたこ介は吉本興業の所属であるのに。もっと若い芸人が徳島県の代表になている。何が言いたいのかというと、「人選」がいい加減であるという事だ。おそらく「毒のある笑い」を持った人間を起用すると、都道府県のイメージを損なうという吉本興業の戦略ではないだろうか。冒頭に取り上げたワンダーランドのように、和歌山県にとっては、農作業を真面目にするタレントというイメージが必要なのである。「吉本住みます芸人」という企画を考えた吉本の社員は非常にアイデアマンである。しかし、芸人を育てるという点においては失格である。「本物の笑いを持った才能溢れる芸人」が必ずしもブレイクするとは限らないことを物語っていると私は思う。