男性が、これほど生きづらい世の中はない。ひきこもり、不登校、社会不適応など女性と比較しても男性の方が圧倒的な割合を占める。何よりも深刻なのは、生涯未婚率の著しい増加である。かつては、見合い結婚が、主であり、誰もが結婚できた。団塊の世代あたりまでは就職して数年すれば、社縁によって結ばれた。あるいは、上司たちが、世話を焼いてくれた。何故、恋愛や結婚において、このような異常な事態に日本は突入したのか。一言でいえば恋愛資本主義が、浸透してしまったからである。女が、男の顔を激しく選別する。「イケメン」とういう言葉を聞かない日はない。一つの言葉の耐用年数は、たかだか数年である。2000年前後から今日に至るまで「イケメン」という言葉が、定着してしまっているのは稀有なことである。女は、どれだけときれいごを言っても、顔で男を選ぶといっても過言ではない。不細工と美人というカップルは、成立しない。つまり美女と野獣は、おとぎ話の世界。一方、ブスとイケメンというカップルは成立する。女は、顔しか眼中にないのに対して、男は、性格を重視する。この男女の非対称性こそ問題視するべきではないのか。また、男性の顔の商品化も目に余る。「イケメン」「キモメン」「フツメン」など男の顔をランク付けする。もしこれが女の顔をランク付けするという逆の現象であれば、フェミニスト、リベラル派が、差別問題と騒ぎ立てるだろう。森首相の発言を「女性蔑視」とヒステリックに批判した人たちは、今の社会で、女から理不尽な思いを受けている男たちの悲しみ、苦しみ、絶望に対して何も感じないのだろうか。上野千鶴子氏などは、恋愛弱者の男に考えられない差別意識を持っている。男性の顔が、選別されることを新たな社会問題と化するべき段階に来ている。