孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

テレフォン人生相談 加藤諦三さん 相談内容とは全く関係ない 意味不明な格言で締めくくるが非常に説得力があるのは摩訶不思議

テレフォン人生相談」という長きにわたって、ニッポン放送で放送されているラジオ番組がある。地方に住んでいると、系列局の関係で、放送時間が違ったりするが、誰もが一度は、聞いたことがあると思う。この番組で、一番古参の相談者は、加藤諦三さんである。「変えられる事は、変えられる努力をしましょう。変えられない事は、そのまま受け入れましょう、起きてしまった事を嘆いているよりも、これから出来ることをみんなで一緒に考えましょう」をキャッチコピーにして、パーソナリティーが相談者の悩みに答えていく。曲者揃いの面々ばかりであるが、その中で最も存在感と強烈な個性を見せるのは、加藤諦三さんである。東京大学教養学部を卒業して、現在は、早稲田大学の名誉教授で、日本衛生学会の顧問を務めている。その著作数は、膨大なものであるが、あまり評価されていない。通俗心理学の域を超えるものではないというのが大半の学者先生の見解だと思う。確かに、自己啓発本に分類されるもので、フロイトラカンといった難解な思想を好むインテリからは、見向きもされないだろう。文芸評論家の小谷野敦さんは、自身の著書で、加藤諦三さんのことを手厳しく批判されていたが。思うに、心理学を研究している学者先生は、加藤諦三さんのように、ラジオに出演して、同じことが出来るだろうか。おそらく、間が持たず、とても、番組として成立しないに違いない。加藤諦三さんの語り口は、非常に穏やかで、聞き心地が良い。まず、相談者の年齢を聞き、「結婚しているか否か」を聞く。そして、相談者の話の概要が分かれば、他の相談者にバトンタッチする。「テレフォン人生相談」には、幼児教育研究家や弁護士が出演していて、専門分野の知識に対応しながらアドバイスしていく。おそらくこの番組は、一切やらせがないと思う。放送事故のようなことが良く起きるからだ。そんな時、いたって冷静なのは、加藤諦三さんである。過去には「結婚してますか」と言い、相談者からブチ切れられたが、加藤諦三さんは、うまく対処した。さすが、年季が入っていて、ちょっとやそっとの事で動じない貫禄を見せつけた。加藤諦三さんの必殺技は強引に、聞いたことがない外国の心理学者の言葉を引用して、番組を締めくくることだ。相談内容と全く関係がないと感じさせるものであっても、加藤諦三さんの口調で言われれば、非常に説得力があり、問題が解決したかのような錯覚に陥ってしまう。先日の放送では、「モラハラ夫に悩む相談者」に向けて発した言葉は、「人は、相手の無意識に反応する」加藤諦三恐るべし。