特命係長只野仁と言う番組がかつてテレビ朝日で放送されていた。深夜枠にも関わらず人気があった。私も見ていた。漫画が原作である。普段は冴えないサラリーマンが社長の特命を受けて、裏で事件を解決する内容で、謂わば現代版「必殺シリーズ」のようなものである。社長役を梅宮辰夫、相棒に永井大、高橋克典に密かに思いを寄せる女性社員に櫻井淳子、そして毎回ベットシーンを演じたのが三浦理恵子。永井大と高橋克典は、バーニング系プロダクションの「ケイダッシュ」という会社に所属していた。その関係でキャストィンされた事を考えると、上質なドラマなど制作できるはずがない。ただこのドラマは主役が高橋克典でなければ、相当面白く、ロングシリーズとなって、今も続いていたと私は思えてならない。必殺シリーズが長く続いたのは、中村主水を演じる藤田まことが三枚目で、表の顔を裏の顔を使い分けることにリアリティーがあったからだ。中村主水が憑依したごとく、藤田まことは死ぬまで中村主水を演じ続けた。最後のシリーズで藤田まことは病気で体が衰弱して、満身創痍であったが、「ワンシーン」現れただけで、中村主水の迫力を出し切った。必殺の現代版のようなドラマは少なからずある。代表的なのはハングマンシリーズである。必殺シリーズの生みの親である朝日放送のプロデューサー山内久司が製作したからだ。山内久司は、「テレビドラマの神様」と称された。山内久司は、「ジャニー喜多川さんにゴマをすりたくない」と言い続けた。皮肉なことに、藤田まことが死んだ後の必殺シリーズは、旧ジャニーズ事務所の面々で固められた。テレビ朝日のプロデューサー内山聖子は必殺シリーズの看板に泥を塗ったと言っても過言ではないだろう。特命係長只野仁もテレビ朝日である。テレビ朝日と朝日放送は同じ系列であるが、全く番組作りのコンセプトが違っている。朝日放送は徹底して、ドラマ志向の強い番組作りを目指した。しかし近年朝日放送のドラマもくだらくなった。特命係長只野仁は、高橋克典以外の俳優で、三枚目の名優を主役にして復活すれば、面白いものになり得るだろう!