「工藤会」の野村悟被告が、弁護士を解任して、新たに3人の弁護士を選任した。そのうちの一人が、安田好弘弁護士である。安田好弘弁護士は、これまで数多くの「死刑事件」の弁護を引き受けてきた。オウム真理教、光市母子殺人事件、カレー事件など世間を震撼させた事件の主任弁護人として大活躍してきた。安田好弘弁護士は、確固たる「思想」を持った人間である。「罪を犯した人間であっても、この世に生を受けた同じ人間である」というものだ。「罪を憎んで人を憎まず」と言われるが、なかなかそうした「思想」は、世間の人には受け入れられない。「京アニ」の青葉真司被告に対して、ネット上では、極刑を求める声が大きい。メディアが、「被害者」の家族を大々的に報道したことが、青葉真司被告を「鬼畜」のように印象操作した感が否めない。青葉真司被告は、明らかに「支離滅裂」な言動を取っている。そして、「完全なる妄想の世界」で彼は生きている。こうした場合は、「刑事責任能力」が問えないのが通常である。安田好弘弁護士が、オウム真理教の麻原彰晃の弁護人であった時1998年12月6日に逮捕された。勾留は、約10か月という異例の長期に及んだ。容疑は、バブル崩壊後の債務を抱えた「ストーンズ社」の社長らと共謀して、同社が所有する建物の賃借人への「賃料債権」に対する強制執行を逃れる目的で、別会社に賃貸人の地位を移転したかのように装い、約2億円を秘匿したというもの。これは、まったくの「不当逮捕」でしかない。この安田好弘弁護士の「逮捕」には裏があった。その「筋書きを描いた」のが、住管の社長中坊公平だ。中坊公平と言えば、「平成の鬼平」と呼ばれた人権派であるが、宮崎学氏は、散々批判している。安田好弘氏を陥いれるために、汚い手を使った中坊公平の「裏の顔」というのは、あまり世間に知られていないのが残念である。安田好弘弁護士が、受任した事件で、私が一番関心があるのは、「北海道庁爆破事件」だ。大森勝久死刑囚と安田好弘弁護士は、互いに意思疎通の中ですれ違いがあって、この事件の弁護人を降りる。大森勝久死刑囚は、今年「再審請求」が却下された。大森勝久死刑囚は、冤罪の可能性が極めて高い。彼は、イマドキの「ローンウルフ」などと言われている無差別犯とは一線を画す。「政治の季節」を生き、一貫した思想を持った人間である。そういう意味で、安田好弘弁護士は、大森勝久死刑囚に「コミット」し過ぎたのではないかと私は考えている。「工藤会」の弁護人としての安田好弘弁護士の健闘を祈るばかりだ。