孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

娘に保険金をかけて殺害したという 警察の筋書きによって作られた東住吉事件 取り調べた警察官は今でも本人を目の前にして犯人だと言うのは人権侵害である

1995年に発生した東住吉事件の元被告の青木惠子さんが、国と大阪府を相手に損害賠償を求めた裁判の判決が、今日言い渡された。大阪地方裁判所は、警察官の取り調べについて、「娘の写真を見せて、助けられなかったことを責め続けて、長時間大声を出して、厳しく取り調べた結果、虚偽の自白をさせられた。母親としての情愛を利用して、偽りの事実を述べながら行った取り調べは、違法だとして、大阪府に対して、1200万円の賠償を命じた。一方で、検察官の起訴は、違法ではないとして、国への訴えは退けた。青木惠子さんは、記者会見で、「まさか国の違法を認めないとは、本当に許せないというか、人間不信、裁判所というよりも1人の人間としての不信感を抱いてしまいます」と述べた。国家賠償の裁判で、取り調べた警察官が証人として出廷して、青木惠子さんに向かって、「いまでも犯人だと思っています。あなたが書いた自白調書は、真実ですと」言い放った。違法な取り調べをして反省をするどころか、暴言を吐くのは絶対許されることではない。東住吉事件は、1995年に発生した。青木惠子さんの長女のめぐみさんが、火事で焼死した。めぐみさんに、1500万円の保険金をかけていたこと。めぐみさんが死亡した後に、保険金の支払いをせいきゅしたこと。そして、内縁の夫との間に200万円の借金があったことなどから、警察は、保険金目的の殺人として、青木惠子さんと内縁の夫の共犯という筋書きを描く。そして、過酷な取り調べによって、2人を自白に追い込んでいく。青木惠子さんが、自白をしてしまった一番の原因は、内縁の夫が、めぐみさんに性的いたずらをしていたという事実を警察官から告げられたことにある。おそらく、娘を助けられなかった自責の念と、衝撃的な事実を知らさせれて、青木惠子さんは、錯乱状態に陥って、自白したのではないだろうか。200万円の借金のために、保険金をかけて、娘を殺害するというのも、甚だ不自然である。1999年に無期懲役という判決が下されて、青木惠子さんは服役する。そして服役後、再審請求をして、2016年に無罪判決を勝ち取る。この事件を読み解く鍵は、内縁の夫が、「7,3リットルのガソリンを撒き、ライターで火をつけた」という自白が成立するかにある。弁護団は、燃焼学を専門とする大学教授の指導の下、再現実験をして、自白通りにして、娘を殺害することは不可能という結果を導く。自白の信用性が崩れたことが、再審無罪への扉を開いた。東住吉事件について、ネット上では、「冤罪ではない」という情報が飛び交っている。警察が、取り調べにおいて、暴力や偽計を持って、被告人を取り調べれば、その自白は却下されて、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則が、運用されるのが妥当だと思う。