孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

埼玉ふじみ野市立てこもり事件 「寝たきりの親にパラサイト」という見方は高齢のひきこもりへの差別と偏見を助長する

1月27日埼玉県ふじみ野市の自宅で、前日に死亡した92歳の母親の担当医だった鈴木純一さんを人質に立てこもり、散弾銃で殺害した事件で、66歳の無職の渡辺広容疑者が逮捕された。1月26日に、渡辺容疑者の母親が死亡し、翌日の27日に鈴木純一医師が、スタッフと訪問し、渡辺容疑者は、「心臓マッサージをしてほしい」と母親の蘇生措置を依頼したが、断られて、散弾銃を少なくとも3発発砲した。最近、中高年の無差別殺傷事件が相次いでいる。大阪の北新地の心療内科への放火事件に次いで、今回の事件と。大阪北新地の放火事件では、被告人が、あたかも凶悪な人間であったことを印象づけるだけの一方的な報道がなされた。被害者への感情を優先すると、偏った報道に陥ってしまうことが何ら配慮なされていなかった。死亡した被告人も、この心療内科に通院してた。つまり、何らかの精神疾患に罹患していた可能性も高く、そうした場合は、たとえ犯罪を犯しても、慎重な報道がなされるべきである。「死人に口なし」で、北新地の心療内科への放火事件の真相はうやむやになってしまった。今回の66歳の渡辺広容疑者の事件を、高齢のひきこもり、あるいはパラサイトの問題に収斂しようとする見解がある。渡辺広容疑者は、66歳で無職で、母親の年金に依存して暮らしていたことは、紛れもない事実ではある。近年、高齢化したひきこもりを「80・50」あるいは、「90・60」問題といたずらに喧伝し、不安をあおる傾向がある。確かに、親の年金で暮らしている高齢もひきこもりも多いことは間違いないと思う。ただ、すべての高齢のひきこもりが、そうと言う訳ではない。メディアの目的は、「年老いた親の年金で暮らす、親不孝で不心得なひきこもり」という、悪意あるイメージを流布させることにあるように思えてならない。世間の人も、短絡的にそうした情報によって、ますますひきこもりへの差別と偏見を強固にしていく。こうした、メディアの印象操作は絶対許せない。個々のひきこもりをより一層に、生きづらくさせている原因の一つではないだろうか。