青木理さんが盛山正仁文部科相を激しく批判した。青木理さんは、かつてテレビ朝日のアナウンサー小松靖に「対案がないと、説得力伴わない」と言われたことがある。この事が小松靖に青木理さんが完全に論破されたと世間に印象づけられた。とんでもないことである。確かに青木理さんは批判ばかりしているが、至極真っ当な見解を述べている。そもそもジャーナリリズムの精神は批判することである。「対案を出せ」などと言う小松靖の方がおかしいのである。「論破する」ことがある種のトレンドになっているが、勢いだけで相手を黙らせることがそもそも正しい事なのか甚だ疑問である。共産党の新委員長に就任した田村智子さんと青木理さんは同じ長野県の野沢北高校の出身である。長野県人と言えば、非常に「理屈っぽい性格」の人が多い。また文化レベルの高い地域でもある。田中康夫も父親の転勤のために長野県で過ごし、高校は松本深志高校出身である。田中康夫氏の気難しい性格も「長野県人」そのものである。また、岩波書店創始社である岩波茂雄氏も長野県出身である。とにかく、青木理さんと田村智子氏が偶然にも同じ高校で1学年しか年の差が違うというのは非常に興味深い。青木理さんは、元々共同通信の記者であった。「日本の公安警察」という本を書き一躍有名になった。「日本の公安警察」という本は、警察組織の実態を知る上で非常に有用な入門書である。現在も幅広く読まれ続けている。しかし青木理さんは最近警察組織のことをあまり深堀しない。せいぜい大川原工業の冤罪事件ぐらいしか言及していない。現在「再審公判」が静岡地裁で審理中の「袴田事件」に当事者の袴田秀子さんに会いに行ったようである。いかにも律儀な青木理さんらしいが。青木理さんは、かなり警察組織の暗部を知り尽くしているはずである。それなのに深堀しない。おそらく、青木理さんほどの「著名なジャーナリスト」になると、守りの態勢に入ってしまい、攻撃的になるのを避けてしまうのではないだろうか。青木理さんがもっと「警察組織の暗部」に言及すれば、メディアの在り方も変わるだろう。