孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

当事者研究

当事者研究が、様々な生きづらさを抱えた人たちの救いの手になっている。元は、北海道浦河のべてるの家で生み出されたものである。妄想や幻覚を除去するのではなく、それにネーミングを付けたり、お互いに意見を述べ合うことによって患者が、主体的に病気と向き合うようになることを優先する。確かに、薬づけにしてきた日本の精神医療を刷新する新しい概念で、各方面から期待されたことはうなずける。べてるの家についての本は、数多く出版され、今も読まれ続けている。ケースワーカー向谷地生良氏も医師の川村敏明氏も素晴らしい接し方をされている。楽観的で患者の訴えをあるがままに受容されているのは、よほどの人格者なのだろう。ただ、本を読んで感じるのは、リアルさに欠くということである。いくら統合失調症が、軽症化したとはいえ危機意識が、甘くはないだろうか。統合失調症においては必ずしも妄想や幻覚が、第一症状として出現されるわけではない。どこか、べてるの家の取り組みは、際どい面があるように思えてならない。当事者研究は、熊谷晋一郎、紗屋紗月氏らが一般的に広めたといってよいだろう。紗屋紗月氏は、自らを発達障害と自称しているが、とてもそのようには見えない。自ら発達障害といたずらに喧伝する人ほど疑いたくなる。お二人の理論は、科学的な装いをしているが、かなり杜撰な部分もある。専門家にすべて任せるのではなく、同じ苦しみを抱えた人たちが、語り合うことは非常に良いことである。しかし、偏った方向性に陥いる可能性をも視野に入れるべきではないだろうか。