孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

飯塚事件・再審棄却

1992年福岡県飯塚市で、小学1年の女児2人が殺害された、「飯塚事件」の再審請求審で、最高裁第一法廷は、特別抗告を棄却した。被告人であった久間三千年死刑囚は、すでに死刑を執行されていて、妻が、再審請求を引き継いでいた。「飯塚事件」については、ウキペディアに詳細に書き込まれている。何故ならば、DNA鑑定が、この事件の争点となったからである。DNA鑑定の科学的知識は、付け焼き刃の勉強で理解するのは、難しい。ただ、後に無罪となる「足利事件」と同じDNA鑑定を行ったという点が、事件の真相をより複雑にしている。久間三千年さんの車内にあった、血痕の血液型が、女児1人のものと一致している点。また、女児を連れ去るのを見た目撃証人の信用性が、非常に高い点。たったこれだけで、裁判所は、判決を維持してきた。もっとDNA鑑定の信用性に慎重な姿勢を示すべきではないのか。確かに、久間三千年さんが、犯人とする状況証拠が、かなり存在している。そういった意味では、難しい事実認定が、必要とされる裁判であることに間違いない。この事件で、看過できないのは、法務省の卑劣な行いである。2009年6月4日に「足利事件」の菅谷利和さんが、最新型のDNA鑑定によって、無罪となる。久間三千年さんが、死刑執行されるのは、2008年10月16日。同じDNA鑑定によって、死刑判決を下していたことを懸念した結果であることは、誰の目にも明らかだ。菅谷さんの場合は、無期懲役。一方、久間三千年さんは、死刑という求刑。死刑制度の根幹を揺るぐことは、避けたいという国家の思惑が、見え隠れする。死刑執行審査結果に押印をした、検事たちの中には、検事総長を務めた者もいる。検事総長を辞職した後には、日本を代表する超有名企業の役員におさまっている。彼らには、良心の呵責などないのだろう。飯塚事件の判決がどうれあれ、法務省の都合の良いように事件が、葬り去られてしまった。司法の独立などは、全く名ばかりである。