孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

若者のテレビ離れとナンシー関について

NHK放送文化研究所が、20日に発表した国民生活時間調査で、テレビ離れが、加速していることが分かった。確かに、若者が、テレビを見なくなったと言われて久しい。ネットを初め、各種媒体が、進歩したこと。テレビの内容が、くだらないなどの原因が挙げられる。しかし、ネット上で、話題になっているのは、テレビで放送されたことであるというとを忘れてはいけない。紀州ドンファンなど、ワイドショーが、大騒ぎしなければ、和歌山という片田舎の事件として、片付けられていただろう。また、星野源の結婚など、どうでも良いことで、盛り上がっているのも、テレビの影響だ。かつて、テレビを愛し、テレビに殉じたといても過言ではない、コラムニストが存在した。それは、ナンシー関である。2002年に39歳とういう若さで亡くなるまで、テレビウオッチャーとして、活躍した。消しゴム版画と、辛辣で鋭い文体で、ありとあらゆる芸能ネタで読者を圧倒させた。芸能人の中には、批判の対象とされるのを嫌がった者もいるようである。それほどに、ナンシー関の文章には、毒があり、ただの芸能コラムの域を超えたものにまで到達していた。小田嶋隆氏は、次のように評する、「ナンシーは、社会批評や文明批評といった大きなことは言わない。芸能人について自分が気づいたことから入って、そこから敷衍していく。それでちゃんと質の高いコラムとして成立させることはとても難しいことなんです」と。今、ナンシー関と比肩出来るライターが果たしているだろうか。週刊誌やネット媒体で、芸能ネタを書いているライターが、少なからずいるが、足下にも及ばない。能町みね子氏は、才気を発揮しているが、政治的な関心に傾斜している。どこか、優等生的な所があって、物足りない。ナンシー関を語る上で、欠かせないのは、あの体形である。「評伝 ナンシー関横田増生朝日文庫に詳しいが。太っているとういうことに、コンプレクッスを抱いていたようである。テレビ出演の依頼を断っていたが、本当は、もっとテレビに出演したかったのではないだろうか。剃刀のような批評と、繊細すぎる神経は、表裏一体だったように思えてならない。ナンシー関が生きていたら、最近のテレビ番組の質の低下をどのように思うだろうか。