孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

トヨタ パワハラ自殺と学歴ロンダリング

トヨタ自動車の男性社員が、入社3年目に命を絶った問題で豊田章男社長が、上司によるパワーハラスメントとの因果関係を認めて、和解が成立した。この自殺の背景には、「学歴ロンダリング」の問題があった。この男性は、東京大学大学院で、宇宙工学を専攻し、15年4月に入社した。研修を終えた約1年後、将来を嘱望されて本社の車両設計部門に配属されたが、直属の上司に、日常的に人格を否定された。そして、「地方大学から東京大学大学院に進学したことを、学歴ロンダリングだと、侮蔑されたり、俺の発言を録音していないだろうな、携帯電話を出せ」と詰め寄られたりすることもあった。パワハラ発言の中に、「学歴ロンダリング」とういう言葉があり、見逃せない。学歴ロンダリングは、言うまでもなく、大学院進学する時に、より偏差値の高い大学院に進学することである。自殺した男性社員が、まさに該当する。この言葉自体に、差別的な意味合いを含んでいる。学歴を詐称するわけでないのに、何故か、否定的なニュアンスで使用される。いまだ、学歴にこだわる人たちがいること自体驚きである。確かに、企業が採用する上で、学歴は、非常に重要なファクターである。一定の水準の大学以外は、採用しない理由には、それなりの合理的な面もある。やはり、一流大学に合格するには、それなりの能力はある。受験で打ち勝ってきた、情報処理能力と知識は、役に立つ場合が多いだろう。特に東京大学の学生は、受験テクニックには長けていて、知能も高い。大学全入時代に突入した、日本では、望まなければ、誰でも、大学に入学できる。そのため、大学は、ますますレジャーランド化している。看過できないのは、最低限度の学力さえ身についていない大学生があまりにも多いことだ。2000年前後に、「分数ができない大学生」が話題になった。あれから20年経って、ますます事態は、悪化している。企業としても、採用時に、学歴を重視しても仕方がない。ただ、受験で失敗し、不本意な学校に入学した。そのため、大学院では、よりレベルの高い学校を受験する。あるいは、勉強など関心がなく、Fランクの大学に入学したが、学問に興味を持ち、向学心から、大学院に進学することを決意した。こういった純粋な学生を揶揄する風潮は、いかがなものかと思う。この自殺した男性の上司は、絶対に許せない。前途ある若者を奈落の底に突き落としながらも、罰せられることなく、のうのうと大企業の社員の地位に安住しているのだから。