孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

24時間テレビの裏側でくだらない演出をする「バリバラ」の欺瞞

今年も、24時間テレビに対抗して、NHKの障害者情報番組「バリバラ」が「2,4時間テレビ誰ひとり取り残さないSⅮGs」と題して放送された。在留資格を取得できない外国人や、アイヌ民族の出自に悩む女子大学生などを取り上げた。一番見ていて、許せないと思ったのは、玉木幸則さんが、大阪の木川南小学校で授業をし、子供たちの障害者観に迫った部分である。子供たちと給食を一緒に食べる場面。脳性麻痺があり、手足を動かすことが不自由なために、玉木さんは、不自然な食べ方をする。子供たちは、奇異な目で見るが、何も言わない。そして、玉木さんが、スープをこぼし、子供たちが手助けする。玉木さんが、授業する中で、子供たちから、様々な意見出る。そして、「障害があることが問題ではなく、差別の目を向ける社会そのものが問題である」とういう結論に至る。もっとも正論であるが、子供たちが、そのような、寛容な精神を持つことができるだろうか。今の社会は、他者と少も違うと、異常なまでに、排除されてしまう、同一化されたものである。いじめの質も、私たち大人では想像もつかないまでに、悪質極まりないものになりつつある。障害者を露骨に差別する人もおれば、障害者に理解を示す人もいるのが、現実であって、誰もが、障害者を受容する社会を実現することは不可能に近い。玉木幸則さんは、非常に頭の切れる方であるが、この授業は、玉木幸則さんを晒し者にしているような感じがしてならない。SⅮGsとういう、今流行りの言葉と使っているのも、いかがなものかと思う。「感動ポルノ」を排することが、この番組の趣旨であるは、実際にやっていることは、「感動ポルノ」以外の何物でもない。「障害者が試練を乗り越えて何かを成し遂げる姿に感動する」ことが、差別に結び付くとは思わない。障害を持つことは、やはり、つらいことであって、様々な困難に遭遇する。そうした現状を、あるがままに見つめることの方が大切ではないだろうか。「バリバラ」は、障害者に対する思いやりという偽善を排したつもりが、新たな偽善を生み出している。