孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

高知白バイ事件の謎 ブレーキ痕は警察の捏造か?

2006年3月3日に高知県春野町で、白バイとスークルバスが衝突し、高知県警交通機動隊の巡査長が死亡した。バスの運転手であった片岡晴彦さんが、業務上過失致死で現行犯逮捕された。この事件については、「あの時バスは、止まっていた」山下洋平著、ソフトバンククリエイティブという本が詳しく言及している。片岡晴彦さんの容疑は、右折する際に、車両の有無を確認せずに、道路に進行したことによって、白バイ隊員を死亡させたというものである。この事件の争点は、白バイが法定速度を遵守していたけれど、片岡晴彦さんが、バスを急発進したため、白バイ隊員を死亡させたか。それとも、時速100キを超えてバスに直撃した、白バイ隊員の過失によるものか。現場に残っていた、「ブレーキ痕」は、警察の捏造によるものかどうか。この2点に尽きるだろう。白バイが、時速100キロを超えて、走行していたことを目撃した証人は、数多くいる。バスの真後ろから事故の瞬間を目撃した、仁淀中学の校長先生。全く面識のない、会社員。そして、バスに同乗していた生徒たちである。被告人と面識のない会社員が、嘘の証言をするだろうか。一方、死亡した警察官の同僚が、白バイが、法定速度を遵守していたのを目撃したと言うが、極めて信憑性は低い。ブレーキ痕が、警察の捏造かについては、弁護側は、交通事故鑑定人らの実験結果によって立証している。その反論として、事故直後のわずかの時間、それも、人の多い場所で、「ブレーキ痕」を捏造するのは不可能と弁護側の主張を斥ける。裁判所もこの結論を取ることになる。この事件、ネット上でも、「ブレーキ痕は警察の捏造ではない」という意見を散見する。ブレーキ痕を科学的に立証するのは、困難であっても、白バイが、法定速度を超えて、走行していたことは、目撃者の証言から事実と推認されるのではないだろうか。事故直後、30人以上の警察官が、実況見分や交通整理を行っていることは、あまりにも不自然である。また、片岡晴彦さんが、有罪を言い渡された瞬間に、法廷内で、高知県警の警察幹部らが、喜びのサインを送りあったことは、許し難い。警察組織として、何かを隠蔽する必要があったことは、間違いないだろう。バスに同乗していた中学生たちは、片岡晴彦さんの人柄を好み、最後まで無実を信じていた。敗訴し、禁固1年4か月の実刑判決で、片岡晴彦さんは、刑務所に服役する。2010年2月に出所し、再審請求を行っているが、見通しが立たない状況である。ブレーキ痕が警察の捏造ではなかったとしても、片岡晴彦さんを有罪とするには、不当な判決であることに変わりない。裁判官らは、現場の実況見分すらせずに、警察側の言い分を無条件に受け入れている。良心のある裁判官であれば、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則を採用して、片岡晴彦さんを無罪にするのではないだろうか。