孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

佐賀同窓会いじめ報復未遂事件 いじめた同級生を殺害しようという目的だけで生きた男はただのサイコパスか?いじめ被害者の心の傷は深いことを忘れてはいけないと思う

1991年に佐賀県佐賀市の旅館で同窓会を開き、かつて自分をいじめた同級生たちを爆発物や毒入りビールで殺害しようとした事件があった。この事件は、テレビや精神医学の本などで紹介されていて有名で、知っている人も多いだろう。容疑者の27歳の男は、中学生時代に壮絶ないじめに遭う。「ヘッドロックをかけられる」「女子生徒の前で、ズボンを脱がされて、裸にされる」など。容疑者の男は、中学卒業後から、いじめの復讐を企てる。そのために、工業系の大学に進学して、大学卒業後は、化学系企業に就職する。関東地方で暮らしていたが、同窓会で復讐を実行するために、実家に帰省する。しかし殺害直前に、「殺人計画」などと記載された文書を母親が、発見して警察に連絡したために男の復讐は未遂に終わる。男は、「精神障害の疑い」があるとして措置入院させられたが、責任能力を問えるとして、警察は、逮捕する。佐賀地方裁判所は、1992年に懲役6年の実刑判決を下す。容疑者は、控訴したが、福岡高等裁判所は、棄却した。中学卒業後から、10年以上も、自分をいじめた者に対する復讐を考え続けて、実行する。そうした男の執念深さは、尋常ではない。精神医学的には、人格障害に分類されるだろう。だから、罪を問えることができたのである。この事件をただの、人格に偏りのある特殊な人間の犯した犯罪と一笑に付すことに疑問を感じてならない。いじめのトラウマは、相当なもので、今も、フラッシュバックのような症状に悩んでいる人たちは多い。特に、この事件の容疑者は、「女子生徒の前で、ズボンを脱がされて、裸にされる」など極めて悪質ないじめを受けている。男が、死を選ばずに生き延びたのは、いつの日か復讐という目的があったからだと思う。いじめの質が、年々悪質になってきている。今のいじめは、暴力的なものは少なくて、昔より巧妙でより陰湿になものである。スクールカーストのように、一度、いじめられるという弱い立場に置かれたら、逆転できないと、子供たちは思いこんでしまうのではないだろうか。この事件は、いじめられた被害者の心の傷は、計り知れないということを示唆している。