孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

「相棒」なんかは子供のドラマ 凄すぎる刑事ドラマ「特捜最前線」 出演者のブチ切れた演技を見たら卒倒するのではないか

刑事ドラマは、基本的に好きになれない。ドラマのように、実際の警察が、正義の味方でもないことを十分知っているからだ。しかし、かつて1977年から1987年にわたって、テレビ朝日系列で放送された「特捜最前線」という刑事ドラマがあった。私が生まれたのは、1981年なので、リアルタイムには見ていない。再放送もあまりしない。YouTubeでアップされることがあるが、著作権の関係ですぐに削除されている。DVDを購入する以外、「特捜最前線」を見る手段はない。「特捜最前線」の出演者たちの顔ぶれが、凄い面々である。二谷英明大滝秀治本郷功次郎藤岡弘、横光克彦渡辺篤史誠直也といった濃すぎる役者がキャステイングされている。特に、船村一平という人情派刑事を演じる大滝秀治さんの演技力には圧倒させられる。大滝秀治演じる船村一平は、「おやじさん」と呼ばれているたたき上げの刑事で、正義感が強い。大滝秀治さんは、「特捜最前線」で一躍世間に名を知られることになった。長い不遇に耐え、ようやく役者人生に光が見え始めた時期で、大滝秀治さんは、全身全霊で演じることになる。セリフ一つ一つの言い回しに力を込めた演技は、役柄を超えた何かを提示させた。本郷功次郎も良い味をだしていた。元々は、大映のスターであっただけに、なかなかの二枚目であるが、「特捜最前線」では、「おやじくささ」を遺憾なく発揮していた。「特捜最前線」は、渡哲也の「西部警察」「大都会」のような派手なアクションもない。犯人が、社会の最下層の人間や差別されて、やむなく犯罪に手を出してしまうという話が比較的多い。罪を犯す人間の視線を重視していて、他の刑事ものと明らかに一線を画す。刑事ものでありながら、反権力ドラマになったのは、裏事情がある。東映という会社は、「義理欠く恥かく人情欠く」と呼ばれるほどに、労働条件の悪い会社である。映画づくりを夢見て、一流大学を卒業して、東映に入社しても、映画製作に携わることが出来るとは限らない。運よく、映画部門に配属されても、奴隷のように働かせられる。才能があって、自己主張する者は、煙たがられ、映画監督への道を閉ざされて、テレビ部門に回される。そのため、一時期東映は、労働組合が激しい運動をして、警察の捜査が介入することもあったらしい。「特捜最前線」は、そうした労働組合のメンバーによって制作されたためか、反社会的なドラマになったのだと思う。若い人は、「特捜最前線」の出演者たちの暑苦しいまでの演技を見たら、引いてしまうだろう。