孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

「丸正事件」在日韓国人と知的障害者を犯人にでっち上げた恐怖の冤罪事件 見るも無残な「警察」の拷問 被害者家族を「真犯人」として告発して、「名誉毀損」で訴えられた正木ひろし、鈴木忠五弁護士の勇気ある行為

数多くある冤罪事件の中であまり知られていないが、これほど無実であることが、明白であることと劇的なドラマを内包した事件は、類を見ないのではないだろうか。その名は、「丸正事件」という。昭和30年5月に静岡県三島市で、丸正運送の女店主が殺害された。5月30日に犯人として、トラック運転手の李得賢と助手の鈴木一男が、別件逮捕される。昭和32年に、第1審判決で、李得賢は、無期懲役。鈴木一男は、懲役15年という判決が下された。「丸正事件」については、別件逮捕した上で、激しい取り調べによって、「虚偽の自白」を引き出させるという、典型的な警察の捜査が、遺憾なく発揮された。李得賢と鈴木一男の両名を犯人にでっち上げるために警察は、凄まじいまでの暴行を加えた。殴る、蹴るは当たり前。血を抜くという異常な行為。そして、李得賢は、在日韓国人であったために、日本式の正座に慣れていなかった。そこに目を付けて、連日連夜「正座」を強要するなどした。しかし、李得賢は、どれだけ警察官たちから激しい暴行を受けても、最後まで、犯行を否認し続けた。一方、知的な遅れがあった鈴木一男は、犯行を直ぐに認めてしまう。この事件は、鈴木一男の自白と、「丸正運送」の女主人が殺害された時間帯に、李得賢と鈴木一男が乗った「トラック」が犯行現場の近くに停車していたという目撃証言。そして、女主人が殺害され時に使用された、「手拭」が、李得賢のものであるという間接証拠しかなっかた。これだけの証拠で、2人の犯行とされたことは、いかに「デタラメな裁判」であったことを証明していると思う。「丸正事件」では担当弁護人の正木ひろし、鈴木忠五両弁護士が、被害者の親族3人が犯人であると東京地検に告発する。しかし、親族から名誉毀損で訴えられた。正木ひろし弁護士は上告中に死亡。鈴木忠五弁護士は、有罪が確定する。昭和49年に鈴木一男は、満期出所。昭和52年に李得賢は、仮釈放されて、出所する。そして再審請求をするが、無罪を勝ち取る前に2人は死亡してしまう。弁護人が、被告を救済するために、被害者の親族を告訴して、名誉毀損で訴えられるというのは、裁判史上においては前代未聞のことである。しかし、正木ひろし、鈴木忠五弁護士の自分の身を顧みず、被告のために弁護士人生を賭した勇気ある行為は、無私の精神であり、尊ぶべき美しい行為であると思う。そして、在日韓国人知的障害者を、無惨な暴力で、「犯人にでっち上げた」た警察の蛮行は、許すまじきものである。