孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

Ⅴシネマ「日本統一」は ただの「やくざ映画」の域を超えて「サラリーマンにも通じる人間関係のしがらみ」を描く 女に好意を抱かれても「何の下心」も持たない いまどき珍しい「熱すぎる男たち」

「日本統一」が、BS12で再放送されている。私は、このシリーズを最初は、どうせ「やくざごっこ」の安っぽいⅤシネマであろうと小馬鹿にしていた。しかし、見ると、非常に面白いのである。本宮泰風演じる氷室蓮司と、山口祥行演じる田村悠人が、「極道社会」の中で、のし上がっていく様を描く。それと同時に、「やくざ社会」も「サラリーマンの社会」と同様に、「人間関係のしがらみ」や「嫉妬」が渦巻く世界であり、二人の主人公が、如何にして生き残っていくかを視聴者の共感を呼ぶように作られている。1970年年代に「仁義なき戦い」が、爆発的な人気を博したのは、それまでの「絵空事である任侠映画」のきれいごとを一切排して、「生々しいまでのやくざの醜悪な姿」を描き、その「リアルさ」が斬新であったからである。金子信雄演じる老獪な山守という親分に振り回される、主人公を菅原文太は、見事に演じ切った。あの頃、映画館から出てくる観客は、誰もが、菅原文太に成りきってた。「仁義なき戦い」が終わり、東映は、やくざ映画を製作しなくなった。その代わりに「Ⅴシネマ」を大量に制作し始める。「Ⅴシネマ」も玉石混交で、大半のものが「くだらないやくざごっこ」に終始する内容であった。しかし、その中から哀川翔という「新時代のスター」を生み出したことはある種の救いであり、「Ⅴシネマ」というジャンルがなければ、今日の哀川翔は存在しなかっただろう。「日本統一」は、非常にややこしい「やくざ組織の相関関係」を把握しなければ、楽しめない一面がある。これは、「実際の暴力団の勢力絵図」にも通じるものだと私は思う。「暴力団」は、直系の組から枝分かれした「末端の組」から構成されている。また、「本家」や「直参」という「格式」を彼らは重んじる。やくざの抗争は、「権力欲」が根底にあり、基本的に「サラリーマンの蹴落とし合い」と同じである。脚本が、視聴者が共感できるように上手く描いている。ただ、私が、ツッコミをいれたくなったのは「日本統一8」だ。山口祥行演じる田村悠人が、クラブの「ホステス」に好意を持たれる。この「ホステス」を演じたのは、無名のAⅤ女優。「田村さんのこと、もっと知りたくて」と「アフター」で、田村が行きつけの「居酒屋」に連れていく。映画の中では、田村蓮人は、この女に何もしない。普通であれば、直ぐに「濡れ場のシーン」となるはずだ。このシリーズを撮った監督は、敢えて「ストイックな男」のイメージを貫き通したかったのか。私が、その立場であれば我慢できないであろう。