孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

広島県警 何の落ち度もない「前途ある24歳青年」を 「不審者」扱いし 拳銃を発砲して殺す 「職務は適切であった」が警察組織の「常套句」 今後もこのような犠牲者は出るだろう

1979年10月22日に広島県尾道市の田園地帯で、一人の青年が、「不審者」と間違われて、警察官2名に拳銃で射殺された。この日午前11頃に、尾道市美ノ郷町の尾道警察署美ノ郷駐在所に「不審な男」がいるという通報があって、2人の警察官が現に駆け付けた。「職務質問」しようとすると、被害者である青年は、300m先の田んぼの中に逃げた。そこで、青年は、「ナイフ」を出して、振りかざした。警察官は、「ナイフを捨てろ」と言ったが、従わずに、さらに「丸太棒」で襲いかかったので、止む無く警察官は、拳銃を発砲して青年を死に至らしめた。これは、「警察発表」である。「警察発表」というのは、「嘘で固められた」ものでしかなく、「真実」を歪曲して、メディアにリークする以外の何物でもない。案の定、広島県警警務部長は、「男は、刃物を振りかざし、さらに棒で殴りかかり、巡査部長が倒れかかったところへ殴りかかった。男の行為は、不当で、巡査部長の行為は、正当防衛にあたり、過剰防衛ではない」と公表した。しかし、この事件の「一部始終」を目撃したいた現場の住民は、「青年は、逃げまわるだけで、警察官に向かっていく様子はなかった。」と口をそろえて証言した。住民の証言は、正しいだろう。青年は、写真と油絵が趣味で、毎日、同じ場所に出かけていた。大学を中退して、働いたが、体調を崩して、「無職」であった。「不審者」がいると通報したのは、老人であった。つまり、この老人は、「皆が働いている時間帯に、良い歳をした人間がぶらぶらしている」と被害者の青年を見做したのである。昨今、外国人が警察官から「職務質問」される事例が増加している。人間というものは、「自分たち」と違う特徴を持った「異質な者」を排除する。そうした偏見や差別が、「不審者」とカテゴライズされてしまう。広島地検は、2人の警察官を不起訴にした。1981年に息子を失った父親は、広島地裁に付審判請求を行った。「付審判請求」は、警察官の不法行為である、特別公務員暴行陵虐罪、特別公務員暴行陵虐致死罪などで訴える制度である。弁護側が、検察官の代役をして、通常の裁判とは全く逆になる。しかし、「付審判請求」は、全く機能していないと言っても過言ではない。この事件でも、裁判所は、警察側の「適法な職務行為」という言い分を認め続けた。しかし、検事役を務める「弁護団」が尽力を尽くした。警察官の主張に従って、「現場検証」をした。すると、被害者の青年が、「丸太棒」で攻撃して、警察官が拳銃を発砲するまでも「時間」が実際は、あまりにも「短かった」ことが判明した。つまり、被害者の青年は、抵抗できない時間に、警察官たちが、容赦なく拳銃を発砲したことが真実であった。目撃した住人たちの証言が正しかったことになる。この事件は、2000年7月11日に広島地裁において、広島県が、被害者の青年の両親に対して、事実上責任を認め、損害賠償を和解金として支払う内容の和解が成立した。「事件発生」から、19年も経過している。警察組織の違法捜査を黙認する裁判官がほとんどである。「国家の安寧・秩序」を維持するなら、少ならからずの行き過ぎた捜査は許されるという「コンセンサス」がある。また、私たち一般市民も「不審者」という「レッテル」で「自分たちとは異なる要素を持った人間」を排斥する傾向が極めて強い。悲しいかな、この種の「警察組織」の違法捜査は、根絶しないだろう。