「東京ガード下酔いどれ人生」というドキュメンタリーが20年以上前に放送された。
今問題になっているひきこもりの高齢化に迫った名作である。
それと共に、昔から「ひきこもり」がいたことを示唆する。
このドキュメンタリーに出演しているひきこもり当事者は、私の父と同じ昭和25年生まれ。
斉藤環が2000年初頭に「ひきこもり」を世に広める前から、ひきこもりがいたことになる。
息子は子供の頃からいじめられ人間不信となって、酒に溺れていく。
80歳過ぎた老母は口では息子を厳しく責めるが、内心は可愛くて仕方がない。
そして、社会から取り残されたこの親子を見守る小林さん。
この3人を見ていると、世の中の理不尽に押しつぶされ、社会の隅に追いやられた人間の悲しみを感じてならないのだ。