孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

梶原一騎 「あしたのジョー」「タイガーマスク」「空手バカ一代」の原作者 アントニオ猪木を誘拐 強面であるが非常に繊細 娘は悲惨な殺され方をされた もっと評価されてもいいと思う

先日NHKラジオ深夜便に「あしたのジョー」を書いた漫画家のちばてつやさんがゲスト出演した。人生の終焉と老いにどのように向きあうかがテーマのコーナーであったためかもしれないが、聞き役のディレクタが「あしたのジョー」の裏話について深堀りしなかった。私が聞きたかったのは、原作者である梶原一騎との関係である。「あしたのジョー」を語るうえで、原作者である梶原一騎と言う存在は不可欠であるからだ。どうも梶原一騎に触れることは、ある種のタブーとなっているのではないだろうか。梶原一騎と聞いても知らない人が大半である。私も1981年生まれなので、リアルタイムに梶原一騎の生の姿を見たことがない。しかし、梶原一騎が自分で書いた本を読んで衝撃を受けた。「何と、この人は繊細な人なのか!」と。梶原一騎の顔写真や世間のイメージは暴力的で怖いものである。実際に暴力事件を多数起こしていて、謂わば「めんどくさい人」「関わりたくない人」でしかなかった。しかし人間というものは外見だけで判断してはいけないと梶原一騎の文章を読んで感じた次第である。梶原一騎は、屈強な体であったが、病気を患っていた。その際のエピソードが凄まじいのである。「全身の痛みで耐え難い苦痛であったが、酒の席で編集者や芸能人たちに自分の弱みを絶対に見せまいと、俺は脂汗を流しながら耐えた」と語るのである。男の鎧をかぶるという言葉があるが、まさに梶原一騎は強面の裏にある「繊細過ぎる心ややさしさ」と隠して、「男の鎧」をかぶって生きていたのだ。同じような話を山口組の歴代幹部がある映画の脚本家に語ったという。昔の男は鎧をかぶって生きていたのではないだろうか。梶原一騎は文才があると私は思う。「あしたのジョー」「タイガーマスク」「空手バカ一代」と次々とヒット作を生み出した。しかし、漫画の世界は、漫画家が重宝されて、原作者はおざなりにされてしまう傾向がある。ちばてつやは運動とは無縁だったという。やはり、梶原一騎の功績はあまりも大きい。梶原一騎は破天荒に生きて、周囲に迷惑をかけたが、もっと評価されるべき人物だと私は思う。